上智大学 総合人間科学部 特別入試 志望理由書 提出例(奈須正裕ゼミ向け)

■ 議論の整理
2018年の国際学力到達度調査(PISA)では、日本は読解力が前回の8位から15位と大きく後退し、 数学的応用力や科学的応用力も順位を落としたことが教育界だけではなく経済・産業界でも反響を呼んだ。しかし、そもそも学力とは何を意味するのであろうか。日本における一般的な学力観と国際的な尺度の学力感の間に微妙な認識のズレを感じ、子どもが好きだったこともあり、教育学に興味を持つようになった。
■ 問題発見 
読解力は国語、数学的応用力は算数と数学というように、教科固有の知識・スキルだと思われがちだが、実際には読解力も数学的応用力も、応用の場は全ての教科や日常生活の中にある。奈須※によると、日本の学習指導要領は「内容」(コンテンツ)を中心に構成されてきたため、学校現場では長年に渡り領域固有知識の学習中心だったが、現在は領域を超えた「資質・能力」(コンピンテンシー)を軸に教育カリキュラムと授業を再編成する動きが世界的に模索されている。このことを知り、日本の学力観と国際的学力観のズレについては腑に落ちたが、学力をつけるための学び方教え方について新たな疑問も生まれた。
■ 論証
私は、小学生の自然体験活動のサポーターをしているが、小中高で受けた授業よりもずっと国際的な尺度の資質・能力観と近しいものを感じる。活動ではてこの原理で川石を動かして生物を観察したり、巻尺で測れない木の高さを測ったりと、遊びの中に理科や数学の内容を応用するチャンスが溢れている。また、大人が正解を教え込むことなく、小学生が自分で方法を考えて取り組んでいる。こうした体験的学習は学校にも導入可能で、従来の学力観を大きく転換する可能性を持つと考える。
■ 結論
そこで、私も国際的学力観を支える学習理論や方法論の可能性を探りたい。
1 学校で実施されている体験的学習の目標と内容、カリキュラムを調査する
2 1を裏付ける、様々な問題解決を促す学習理論を学び、整理する
■ 結論の吟味
上記についての学びと実践力を深めるために、この分野において先駆的な研究と教育活動を積み重ねてきた奈須正裕教授のゼミに入会することを強く希望する。
※奈須正裕(2017)「コンピンテンシー・ベイスの学力理論と授業づくりー生涯を1つの学びで貫く教育の構想ー」日本教育学会第75回大会発表要項

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