■ 設問
あなたが今まで学んできた学問と,あなたが知っている社会学を比較して,社会問題(社会現象)の具体例をあげて,その問題に対する二つの学問の接近(分析)方法について,概念,仮説,理論などから簡潔に記述しなさい。(800字以内で解答用紙に記述すること)
■ 答案構成
議論の整理→ 経済学と教育社会学を比較する
問題発見→ 子どもの貧困問題を具体例に取り上げて二つの学問の違いを分析する
論証→ 経済学,教育社会学それぞれの貧困問題へのアプローチ
解決策or結論→ 分析視角が,経済学はマクロ的,教育社会学はミクロ的である
解決策or結論の吟味→ 例外として経済史,実証的社会学もある
■ 答案
議論の整理→ 経済学と教育社会学を比較する
経済学と,社会学の一分野である教育社会学を例にとり,比較する。いずれも人々の社会生活の質的向上を研究目的とし,データを活用するところに共通項がある。しかし,その方法論は大きく異なる。すなわち,経済学では、実データから構築した分析モデルを介して,定量的に問題を捉えるアプローチを採る。一方,教育社会学では,実データの分析を通して問題発生原因を導き出す定性的アプローチが主流となる。
問題発見→ 子どもの貧困問題を具体例に取り上げて二つの学問の違いを分析する
ここで具体例として「子どもの貧困問題」を取り上げ,この二つの学問のアプローチの違いについて考察してみたい。
論証→ 経済学,教育社会学それぞれの貧困問題へのアプローチ
経済学的アプローチでは,貧困をもたらす原因と考えられる要因をそれぞれ原因変数とみなし,統計データを利用して,貧困率を原因変数の関数として数式で表す。原因変数には統計指標が用いられる。得られた関数は分析モデルと呼ばれ,原因変数と貧困率の相関関係を数学的に表す。統計的有意と判断された原因変数は,貧困率を改善するために講じる対策(経済政策)の対象となる。さらには,講じた対策による政策効果も分析モデルから推定できる。以上の考察から,経済学とは,経済政策を講じるべき対象(原因)と採るべき対策(経済政策)を明らかにする思考ツールといえよう。
一方,教育社会学的アプローチにおいては,個別聞き取り調査やアンケート調査から子どもの貧困問題を掘り下げていく。すなわち,子どもの貧困問題を抱える個々の世帯の実状をこと細かく調査し,帰納的手法で子どもの貧困問題の根本原因をあぶり出していく。こどもの貧困問題が非正規雇用の一人親世帯にほぼ集中している実態は,社会学的アプローチから得られた知見である。
解決策or結論→ 分析視角が,経済学はマクロ的,教育社会学はミクロ的である
すなわち,教育社会学では,個別聞き取り調査やアンケート調査の結果が分析対象であり,分析視角がミクロ的である。一方,経済学では,統計データを駆使してミクロ的な分析視角を構成する。この点に,この二つの学問の大きな違いがあるといえよう。
解決策or結論の吟味→ 例外として経済史,実証的社会学もある
経済学と,社会学の一分野である教育社会学を例にとり,比較する。いずれも人々の社会生活の質的向上を研究目的とし,データを活用するところに共通項がある。しかし,その方法論は大きく異なる。すなわち,経済学では、実データから構築した分析モデルを介して,定量的に問題を捉えるアプローチを採る。一方,教育社会学では,実データの分析を通して問題発生原因を導き出す定性的アプローチが主流となる。
ここで具体例として「子どもの貧困問題」を取り上げ,この二つの学問のアプローチの違いについて考察してみたい。
経済学的アプローチでは,貧困をもたらす原因と考えられる要因をそれぞれ原因変数とみなし,統計データを利用して,貧困率を原因変数の関数として数式で表す。原因変数には統計指標が用いられる。得られた関数は分析モデルと呼ばれ,原因変数と貧困率の相関関係を数学的に表す。統計的有意と判断された原因変数は,貧困率を改善するために講じる対策(経済政策)の対象となる。さらには,講じた対策による政策効果も分析モデルから推定できる。以上の考察から,経済学とは,経済政策を講じるべき対象(原因)と採るべき対策(経済政策)を明らかにする思考ツールといえよう。
一方,教育社会学的アプローチにおいては,個別聞き取り調査やアンケート調査から子どもの貧困問題を掘り下げていく。すなわち,子どもの貧困問題を抱える個々の世帯の実状をこと細かく調査し,帰納的手法で子どもの貧困問題の根本原因をあぶり出していく。こどもの貧困問題が非正規雇用の一人親世帯にほぼ集中している実態は,社会学的アプローチから得られた知見である。
すなわち,教育社会学では,個別聞き取り調査やアンケート調査の結果が分析対象であり,分析視角がミクロ的である。一方,経済学では,統計データを駆使してミクロ的な分析視角を構成する。この点に,この二つの学問の大きな違いがあるといえよう。(797字)
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