■ 議論の整理
近年、アクティブ・ラーニングという学習の在り方が注目されている。この用語は、19世紀中ごろからアメリカの教育文献で見られるようになり、現代においては世界中で広く使われるようになった※1。日本においては2012年には中央教育審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」において初めて政策用語として使用され、広く使われるようになった。その答申には「(略)教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見出していく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である」と記されている。
■ 問題発見
アクティブ・ラーニングの方法は、ジョン・デューイの問題解決学習やキルパトリックのプロジェクト・メソッドなどとの共通点が大きく、アクティブ・ラーニングの中心的方法としても位置付けられている※1。また、これらの概念や方法はアクティブ・ラーニングやコンピンテンシーなどと並び、今日のカリキュラム改革の主要概念を構成している※2。
私は将来、教師としてアクティブ・ラーニングを授業に導入し、子どもたちが主体的に学びを発展させられる授業を実践したいと考えている。しかし、アクティブ・ラーニングを導入する場合、コンテンツ重視型の教育と異なり、何を評価の基準とすればよいのだろうか。
■ 論証
アクティブ・ラーニングの授業を評価するにあたり、私は生徒の評価だけではなく、その授業やカリキュラムそのものへの評価基準も必要だと考える。そして、評価の基準を明確にすることで、授業やカリキュラムのゴール設定も行いやすくなり、授業の質の向上につながると考える。
■ 結論
アクティブ・ラーニングの実践と評価を考えるにあたり、その背景にある問題解決学習やプロジェクト・メソッド、参加体験学習などの様々な理論を踏まえ、実践例を元に検証していきたい。
■ 結論の吟味
この問題意識を追求するにあたり、貴学の上野正道教授のゼミに入会し、様々な教育方法論を学び、研究を行うことを強く希望する。
※1 山内祐平(2019) 教育工学とアクティブラーニング 教育工学会論文誌,42125
※2 上野正道(2016) プロジェクト論に基づくカリキュラム・デザインーアメリカのヘルバルト主義と進歩主義教育ー. 近代教育フォーラム,25,39₋45
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