上智大学 法学部 特別入試 志望理由書 提出例(甘利公人ゼミ向け)

■ 議論の整理
近年、地震や津波、洪水等の天災が各地で頻発し、保険への関心はますます高まっている。しかし、保険約款では地震や津波による損害は、とくに甚大な損害になるものに関しては免責とするものもある。また、免責ではないが、支払保険金が膨大なものになるので、保険会社が計算の基礎に影響がないと認めた場合は削減払いする旨の約款もある※。被保険者にとってはわかりにくいこれらの条項や根拠が、実際の天災時には問題となることもある。

■ 問題発見
2011年の東北大震災と2016年の熊本地震では、生命保険各社が地震による免責条項等は適用せず、また削減払いではなく、保険金と給付金の全額が支払われた。しかしこの決定は、前述のとおり、保険料の支払いが一定の範囲で収まり、生命保険会社の存続を脅かすことがないと判断されたからである。つまり、今回は保険料が支払われても、より甚大で大規模な被害の際には免責あるいは削減払いとなる可能性もあるということである。被害を受けて救済を必要とする被保険者にとって、生命保険や損害保険のこのような状況は、情報の不透明さや複雑さ、また不平等感が残るのではないだろうか。

■ 論証
生命保険や損害保険は、被保険者やその家族を救済するための制度であるにも拘わらず、上記の問題点から訴訟になることも多い。そのため、各ケースにおける保険会社の適用根拠についての事例を収集し、問題点を分析し、契約者間の平等性や、地震等の免責条項の明確性や透明性についての議論に繋げていく必要がある。

■ 結論
また、こうしたケースにおいては被災状況や被害状況によっては訴訟の数が増え、また長引くことも予想されるため、保険分野におけるADR=裁判外紛争解決手続きにも注目したい。

■ 結論の吟味
上記のような保険に関する訴訟問題の解決に向けて貢献することを目指し、貴学の甘利公人教授のゼミに入会し、保険法について深く学ぶことを強く希望する。

※甘利公人.(2012).大震災と保険契約の諸問題.保険学雑誌,619:619_163-619_175.

AO入試・小論文に関するご相談・10日間無料添削はこちらから

「AO入試、どうしたらいいか分からない……」「小論文、添削してくれる人がいない……」という方は、こちらからご相談ください。
(毎日学習会の代表林が相談対応させていただきます!)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です