上智大学 法学部 特別入試 志望理由書 提出例(江藤淳一ゼミ向け)

■ 議論の整理
紛争解決と平和構築において、人々の人権を守り、人道的に被害からの回復を図るための法的ルールと司法の意義と役割は大きい。重大な国際人道・人権法違反を法の欠缺のために不処罰に終わることなく、また平和の構築に対してグローバル社会における法の優位を確認するためにも、国際刑事法廷の意義と役割は今後ますます重要となっていくだろう。

■ 問題発見
しかし、一般の刑事裁判以上に困難な、異なる国家、民族、宗教間の価値観が交錯し、また、条約や国際慣習法の整備が十分であるとは言えない現状の中で、裁判不能という事態を回避するためにはどんな法的制度が必要だろうか。また、多文化状況の中で公平性、対等性、平等性はどのように担保されるのだろうか。

■ 論証
この問題を具体的に考えるにあたり、国際刑事法廷における「一般原則」とその認定プロセスに注目したい。ここで言われる一般原則とは、条約や慣習国際法の規則が不明確であったり、欠けている場合に裁判不能を回避するために常設国際司法裁判所規程で採用されたものを指す。江藤教授や多くの研究者が整理しているように、「一般原則」を認定する作業は国内法を比較検討してそこから一般原則を抽出して、それが諸国により一般的に承認されているかを検討し、さらにそれが国際刑事裁判で適用できるかどうかを確認するの3段階を踏むとされている※。

■ 結論
しかし、多様な法体系から抽出された原則の抽象度が高すぎても有効な原則とはなりえず、また、抽出の過程で裁判官の恣意的な判断が入り込むといった危惧もある。こうした危惧を乗り越えていくためには、まだ少ない事例を評価分析したものから学ぶ必要があり、さらにはその評価のための視点の整備も必要であり、そこに国際刑事法という学問が貢献していく意義があると考える。

■ 結論の吟味
上述の研究を自分自身の研究課題として追求していくために、貴学の江藤淳一教授のゼミに入会し、国際法の基礎知識や分析のための視点を学ぶことを強く希望する。

江藤淳一₍2014₎ 国際刑事裁判における法の一般原則の意義 上智法學論集

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