■ 設問
ロシア語の文法的な特徴をひとつあげ,その特徴について,日本語(ないし英語)との比較の中で論じてください。(400字~800字)
■ 答案構成
議論の整理→ 英語とロシア語の動詞について比較する
問題発見→ ロシア語の動詞には,英語にはない「体」という分類がある
論証→ 完了体動詞と不完了体動詞の使い分け
解決策or結論→ 完了体と不完了体の区別は難しい
解決策or結論の吟味→ 対となる動詞の多様なパターン
■ 答案
議論の整理→ 英語とロシア語の動詞について比較する
ロシア語には,英語にはない動詞の分類,すなわち「完了体動詞」と「不完了体動詞」という,2種類の動詞が存在する。伝えたい意味と状況により,対となる2種類の動詞の厳密な使い分けが必要となる点にロシア語の文法的特徴がある。
問題発見→ ロシア語の動詞には,英語にはない「体」という分類がある
動詞の使い分けを具体的に見てみる。たとえば,「来る」という動詞は,主語に該当する人が今どこにいるのか,まだそこにいるのか,あるいはもういなくなってしまったのかにより,使うべき「動詞の体」が異なる。つまり,使用される動詞そのものが異なるのである。
論証→ 完了体動詞と不完了体動詞の使い分け
ロシア語の不完了体動詞は,進行中の動作,複数回の動作,習慣的な動作を表し,完了体動詞は一回きりの動作を表す。これは,「現在・過去・未来」の違いを表現する時制とは別の概念であり,英語でいう「完了形」と「進行形」の区別に似た概念である。使われている動詞が完了体動詞なのか,不完了体動詞なのかで,大きく文意が異なる。これは,語幹を残しつつ語尾を小変化させ,助動詞(have,be動詞など)との組み合わせで「完了」や「進行」を含意させる英語文法とは根本的に異なる,ロシア語にユニークな特徴である。
解決策or結論→ 完了体と不完了体の区別は難しい
「動詞の体」の正しい区別はロシア語の専門家にとっても難しいものと言われており,ロシア語習得を困難にしている文法的要因のひとつであろう。
解決策or結論の吟味→ 対となる動詞の多様なパターン
完了体動詞と不完了体動詞が単純な対になっている場合が多い。しかし,中には,不完了体動詞に接頭辞をつけて完了体動詞となるもの,完了体動詞を語尾変化させたものが不完了体動詞となるもの,完了体動詞と不完了体動詞が全くの別形であるものや同形であるもの,対となる完了体動詞(もしくは不完了体動詞)が存在しない(あるいは,ほとんど使用されない)もの,意味によって対となる完了体動詞(もしくは不完了体動詞)が異なるもの,と多様である。
ロシア語には,英語にはない動詞の分類,すなわち「完了体動詞」と「不完了体動詞」という,2種類の動詞が存在する。伝えたい意味と状況により,対となる2種類の動詞の厳密な使い分けが必要となる点にロシア語の文法的特徴がある。
動詞の使い分けを具体的に見てみる。たとえば,「来る」という動詞は,主語に該当する人が今どこにいるのか,まだそこにいるのか,あるいはもういなくなってしまったのかにより,使うべき「動詞の体」が異なる。つまり,使用される動詞そのものが異なるのである。
ロシア語の不完了体動詞は,進行中の動作,複数回の動作,習慣的な動作を表し,完了体動詞は一回きりの動作を表す。これは,「現在・過去・未来」の違いを表現する時制とは別の概念であり,英語でいう「完了形」と「進行形」の区別に似た概念である。使われている動詞が完了体動詞なのか,不完了体動詞なのかで,大きく文意が異なる。これは,語幹を残しつつ語尾を小変化させ,助動詞(have,be動詞など)との組み合わせで「完了」や「進行」を含意させる英語文法とは根本的に異なる,ロシア語にユニークな特徴である。
「動詞の体」の正しい区別はロシア語の専門家にとっても難しいものと言われており,ロシア語習得を困難にしている文法的要因のひとつであろう。
完了体動詞と不完了体動詞が単純な対になっている場合が多い。しかし,中には,不完了体動詞に接頭辞をつけて完了体動詞となるもの,完了体動詞を語尾変化させたものが不完了体動詞となるもの,完了体動詞と不完了体動詞が全くの別形であるものや同形であるもの,対となる完了体動詞(もしくは不完了体動詞)が存在しない(あるいは,ほとんど使用されない)もの,意味によって対となる完了体動詞(もしくは不完了体動詞)が異なるもの,と多様である。(747字)
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