設問
以下の文を読み、著者の「時間」についての考えを踏まえ、拙速な「グローバル化」が生む弊害について、またそうした問題にいかに対処すべきかについて、あなた自身の経験を交えながら、600~800字で述べなさい。
議論の整理→筆者の「時間」のとらえ方の整理
著者は自身のインドでの滞在経験を踏まえ、文化や習慣によって時間の進み方は異なることが重要だと述べている。とくに現代では、グローバル化によって異文化の人間と容易につながることが可能になり、余計に時間の概念に関する問題が生まれやすい。
問題発見→グローバル化の問題と対処法は?
グローバル化が生み出す問題にはどのようなものがあり、それにはどのように対処すべできだろうか。
論証→拙速なグローバル化による他者の存在の希薄化
著者が取り上げている「時間」に関しても、時間そのものが問題なのではなく、「自分の価値観が正しい」と信じて疑わない姿勢が問題なのだと思う。その背景には、自分と同じように生活をし、感情を持っている人間の存在を無視してしまう思考がある。このように他者の存在を排除してしまう考え方こそが「拙速なグローバル化」による弊害だといえるだろう。本来、「グローバル化」とは国や地域といった境界を越えて、人やモノがつながることを言う。それは単に「情報が瞬時に伝わる」「国境を移動することが可能になる」ということではなく、「様々な価値観をもった人間同士がつながること」も意味するのではないだろうか。そのため、真のグローバル化のためには、他者を人格のある存在として認識し、多様な価値観を許容できるようになることが必要だ。そのためには、自らの考えや価値観は絶対的なものではなく、文化や環境が異なる人間は違う考えや価値観を持っていることを知ることが必要だ。たとえば言葉や文化、歴史などを学ぶことでも、多様な価値観を理解する一助になるだろう。
解決策or結論→異なる価値観を積極的に知ることが重要である
このように拙速なグローバル化は、他者の存在を無視してしまう危険性を伴っている。それを回避するためには、異なる価値観を知り、受け入れることが重要である。
解決策or結論の吟味→結論を吟味する
インターネットが発達したいま。オンラインで他者の情報を得ることは容易だが、実際に自分が価値観の異なる相手と出会い、言葉を交わし、衝突をすることで、はじめて相手を「本当に」認識できるといえるのかもしれない。(795字)
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