慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(田島英一研究会向け)

 議論の整理・・・
 中国政府が公認している宗教は,カトリック・プロテスタント・イスラム教・仏教・道教の5つであり,キリスト教は中国では「耶蘇教」と書かれる。カトリックとプロテスタントで2つとカウントされているが,イスラム教はスンニ派やシーア派もまとめてイスラム教と定義され,仏教も同じく真言宗や天台宗や禅宗など宗派問わず仏教とされている。経済が目覚しい発展を遂げる中で中国でも仕事や人間関係,将来への不安などでストレスを抱える人が増え,宗教を信仰する人が増えてきているといわれる。現代中国では,日本人が思っている以上に信仰的には自由さがある。ただ,中国共産党政府は一貫して宗教は国家統治のマイナス要因との認識を変えていない。そのため,あくまで宗教は国家,中国共産党を超えるものではなく,政府の監視下に置くというのが中国政府の宗教政策となっている。

 

 問題発見・・・
 それでは現在の中国で,キリスト教(耶蘇教)はどのような広がりを見せているのか。

 

 論証・・・
 キリスト教は厳しい管理,干渉の対象となっっているが,現在,中国には少なく見積もっても推計で6000万人,多い推計では1億人を超えるクリスチャンが存在すると言われている。ただし,そのうちカトリック信徒は1000万人程度であり,大半はプロテスタント信徒が占める。プロテスタント信徒も,「公認教会」の発表では1000万人から2000万人程度でしかない。つまり,「非公認教会」のプロテスタント信徒が,少なくとも3000万人,場合によっては1億人近くいるという計算になる。この中でも,90年代から目立ち始めた都市部の新興教会は,神学的には改革派が多く,ホワイトカラー層や大学生などが多いことも特徴である。法律に明るい有識者も多数抱えており,政府宗教管理部門もむやみに手出しができない。中国の将来を担う名門大学の学生が新たな信徒として次々と参加していることも,当局の危機感につながっている(*1)

 

 結論・・・
 そこで,中国共産党監視下でさえ増え続けているクリスチャン,特に都市部の振興協会のこれからの動向や中国共産党政府に与える影響について研究したいと考えている。

 

 結論の吟味・・・
 この研究を進めるため,貴学SFCに入学し,中国地域研究に実績があり中国キリスト教系団体について詳しい田島英一教授の研究会に入会することを強く希望する。

 

(*1) 田島英一.赤旗はなぜ十字架を恐れるのか 中国キリスト教の苦悩”,
< https://synodos.jp/international/14159 >

 

 

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