慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(会田 一雄研究会向け)

非営利組織の業績評価に当たっては ,単に会計的データのみによってその業績を評価できるものではない。たとえば、地方公営企業の水道事業を考えてみると,水道事業者はその受益者に対して,安価で安全な水を安定的に供給する責務を負っていると考えられる。また、今日では安全なばかりでなくおいしい水が求められているとも考えられる。それらは、単に財務的なデータによる評価ばかりでなく、顧客満足までも当該組織体に求められているものであると考えられる。
非営利組織体を効率的に運営しサービスを受益者に提供することによって,組織目的を達成することが求められている。そのためには、当該組織の効率性の測定が必要となってくる。しかし、この効率性の測定のためには 、種々のインプットや種々のアウトプットを効率性測定のために取り込んでいかなればならない。 そのための有力な手段としてDEA を考えることができるであろう。
このような課題を残しつつも、適正な評価をするために今後の(組織有効性の)評価システムの在り方としては次に示す 5 つの視点が必要と考えている。
第 1 に,非営利組織では,組織外の社会経済的インパクト(外部的効果)を評価することが重要であり,業績測定評価の体系は,構造→活動→成果へと重点を移していくことになるのではないだろうか。
第 2 に,非営利組織の存在理由の 1 つである本来的な独自性・自律性や民主制を損なう結果にならないよう非営利組織自身が評価能力を養うことが先決であろう。
第 3 に,非営利組織の業績評価の視点は多元的であるが利用者視点が重視 されることが重要であると考える。
第 4 に,財務の均衡も重要であり,非営利組織としてその存在意義にマッチする経済性・効率性を考える必要がある。
第 5 に,貨幣換算,数量化する傾向にあるが,すべてのサービスの質とアウトカムは数値化できないことも考慮することが必要である。NPO の制度ができて20年余り,そして,評価についての研究も緒についたばかりである。実際に NPO 法人の評価の積み重ねにより現場で使用され,成果の上がる組織に成長するための評価指標を考えていきたい。

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