慶應SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(渡辺靖研究会向け)

■ 議論の整理・・・

アメリカの非営利組織(NPO)は,多元価値を社会にもたらし,また個人の発想を大切にしている。これは歴史的経緯からきている。すなわち,“新天地”を求めてヨーロッパからアメリカに渡ってきたピューリタンをはじめとする人々が,政府が出来る前から自分たちでコミュニティを作り,何事も自発的に取り組んだことに由来している。また今日においても政府が行う事業は税金で運営していることから,承認が得られるものでなくては取り組むことができないのに対し,思いたった人が集まってなかなか手が回らないような地域社会における公共的なニーズに応えていくのがNPOなのである。つまり,人びとの自由と様々な価値観を大切にし,これをベースに社会の先駆的,創造的な領域を開拓していくのがNPOであると言われている。

 

■ 問題発見・・・

では,アメリカと日本のNPOの違いは何だろうか。

 

■ 論証・・・

アメリカが社会貢献の先進国と呼ばれる理由としては,NPOの数や規模,寄付金額が圧倒的に多いことや,また,NPOの社会的なステータスが企業と同等に高いということが挙げられる。アメリカの大学生の就職ランキングの上位にNPO団体が入っていることからも分かるように,アメリカではNPOが就職先の選択肢としてあげられるほど,深く認知されていることが分かる。現在の日本のNPOは,特に「介護保険」の導入以降,保健・医療・福祉の分野に関わるNPOがかなり増加し,全体の6割程度を占めているが,その認知度や信頼は,まだまだ低い。また,資金面においても,アメリカでは個人からの寄付が圧倒的に多いのに比べ,日本では企業からの寄付がかなり多くなっていることも違いの一つである。これは,税制の違いもあるが,何より日本人のNPOに対する認知がうまく浸透しておらず,NPOは胡散臭い・信用ならないという印象を持つ人が多いからではないだろうか。

 

■ 結論・・・

そこで私は,非営利組織(NPO)の認知度を上げ,地域住民の組織等と連携しながら地方活性化に向けた活動を担うための研究を深めたいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・

貴学環境情報学部の渡辺靖教授は,アメリカの非営利組織やコミュニティについて研究実績もあり,アメリカの非営利セクターを熟知していることから,上述の研究を進めるのに最適な環境である。それゆえ,貴学SFCに入学し,渡辺靖研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 渡辺靖.“コミュニティとしての非営利組織”,立教アメリカン・スタディーズ,Vol.33, pp.7-15, 2011

 

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