慶應SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(一ノ瀬友博研究会向け)

■ 議論の整理・・・

都市及び農村地域における鳥類の種類分布は,主に樹林地の面積増加とともに増える傾向があり,他の樹林地に対する孤立や連結の程度,植生の断層構造,樹林地の平面的な形状などに影響されるという研究結果が示された(*1)。また,鳥類は樹林型,水辺型,中間型の3つのグループに分けられ,樹林型と水辺型の鳥類は,その生息地の面積比の増加に比例して増えるが,中間型の鳥類は,いくつかの空間要素にまたがって生息している(*1)。これらのデータは,多くのボランティアによる現地調査やアンケート調査により,地図をマス目状に分割し,地域毎に鳥類のメッシュデータと植生や土地利用のメッシュデータを重ね合わせ,比較分析されている。

 

■ 問題発見・・・

では,鳥類の種類別分布は,樹林型,水辺型,中間型でどのように変化しているのか。

 

■ 論証・・・

まず樹林型の鳥類は,樹林地においても土地利用されている地域においても正の相関を見せており,人間と鳥類が共存しつつ,鳥類群集の保全が可能であるといえる。また,水辺型の鳥類は,餌場である解放水域や湿地帯,水田の面積と正の相関を見せており,そういった餌場の保護,確保が同時に重要である。また,種によっては,コロニーの間隔を開けて生息するものもあるため,必ずしも餌場を密集,隣接させることが良いとは限らない。また,中間型にいたっては,樹林地と水辺を中心とした保護では退行する危険があり,農耕地や他の生息地が適度に混在する場所が必要であるという結果が示された(*1)。このように,鳥類保護,保全の観点から言えば,樹林地,水辺,農耕地などの土地利用の適切な配置を考えるならば,人間と鳥類の共存は十分に可能であるといえる。

 

■ 結論・・・

そこで,サンショウクイなど一度はレッドリストに載るほど減少していた種が生息地を移動拡大して増えてきた理由を,環境や土地利用と関連づけて研究したいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・

貴学SFCでは,実践的で能動的なプロジェクトへの参加を主体としたカリキュラムを実践しており,私の研究に最適な環境が整っている。また,貴学環境情報学部の一ノ瀬友博教授は,鳥類の分布と土地利用の関係について研究するなど景観生態学や地球環境について研究しており,上述の研究をより充実したものにできると考える。したがって,私は貴学SFCに入学し一ノ瀬友博研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 一ノ瀬友博,加藤和弘.“都市及び農村地域における鳥類の分布と土地利用の関係について”,造園雑誌,Vol.56, No.5, pp.349-354, 1993

 

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