AO・推薦入試対策 (1) 志望理由書対策

・ 高校中退でも不登校でも偏差値40でも書類通過する志望理由書の作り方

ここからは志望理由書対策の話になります。この志望理由書がAO入試では魔法の杖になります。私がいままで、高校中退・不登校・偏差値40などさまざまな問題がある教え子様たちを早慶上智という難関大学に最終合格させることができたのも、ひとえにこの志望理由書対策に全力を注いできたからです。
さて、ここで考えていただきたいのですが、良い志望理由書とはどんな志望理由書でしょうか。この問いに対して、いままで多くのAO対策塾がそれぞれに独自の考え方を示してきました。ある塾では、自らの塾で主催するイベントに参加し、そこで学んだことを情感たっぷりに書くことを勧めていますし、また他の塾では自らがやってきたことをひたすらていねいに書くことを勧めています。しかし、これらの方法論は、大学がまず第一に研究機関であり、研究の手順に則ってすべてが進むことを踏まえると、必ずしも効果的とは言えないように思います。
では、どのような志望理由書が望ましいのでしょうか。一つまず確実に言えることとしては、研究の手順に則った志望理由書を作ることが大切だということです。では、研究の手順に則った志望理由書とはどのような志望理由書でしょうか。一つ明らかなことは、先行論文を調べ、その上で先行論文の課題を見つけ、自分なりにその先行論文の先に研究の到達点を持ってくることが大切になります。志望理由書でやらなければならないことはまず第一に、先行論文の課題を見つけ、自分なりの解決策を高校生なりの感性と経験で書くことです。

・ まずは自分の志を固めることが第一!

このプロセスを始める上でまず大切なことは、自らの志を固めることです。正直なところAO入試を受けるのは、楽して人よりも早く合格したいだけという受験生が多いことを私はよく知っていますが、なにはともあれ何かに「ハマる」ことがAO入試では必要不可欠です。志望理由書を書くその一ヶ月二ヶ月だけでもかまいませんので、なにかにハマってください。
ハマるためにはなにが必要か。一つには、その分野に関する知識が必要です。特段今の段階で自分はこれが書きたいというものがない人は、毎日学習会までぜひご相談いただいた上で、合格しやすいテーマを選んでください。
ここで、この「合格しやすいテーマ」についてもいささかの説明が必要になります。つまらない話ですが、しっかり聞いてください。この「合格しやすいテーマ」とはなにか。それは、既存の学問分野で扱われているテーマの近接分野にあり、日本ではまだ十分に研究されていないテーマです。たとえば、社会学であれば在日中国人・在日韓国人については非常に細かく研究がなされており、先行研究も多数存在しますが、在日ムスリムについては最近その存在感を増しているにもかかわらずまだ十分に研究が進んでいません。欧米ではムスリムは総じて子供をたくさん産む傾向があるので、こうした在日ムスリムとの共存が、欧米同様日本でも今後大きな問題となることは容易に想像がつきますし、海外にも優れた先行研究が多いのです。ですから、こうした分野はこれから大学院進学・研究者になることを目指す受験生にとっても、ポストが用意される可能性が高く、潰しも効くのでおすすめです。

・ 先行研究調査は自分の志望大学・志望学部の先生を中心にていねいにする

また、ここで先行研究調査の方法論が問題になります。
先行研究調査を行う際に大切なこととしては、自分の志望大学・志望学部の先生を中心に丁寧に行うことです。まず自分の志望する大学・学部で注目した先生の先行論文についてはすべて目を通すことは必要不可欠です。専門的な統計のことなどは理解できなくてもアブストラクトにはちゃんと目を通して、その内容や研究の意義を理解しておくことは絶対に必要です。その上で着目していただきたいのか、一番論文の一番後ろに書いてある参考文献です。
この参考文献リストを見つけたら、一つ一つGoogle scholarを使って虱潰しに調べていきます。ここでも、専門的な論文の内容をすべて理解する必要はありませんが、アブストラクトだけはしっかり読んで、内容や研究の意義を理解できるようにしておきましょう。海外の論文のアブストラクトを読むのは、日本の論文の概要欄を読むよりも楽なことが多いので高校生程度の英語力があれば十分対応可能です。
その上で、今行きたい大学・学部の先生の先行研究と、世界的な研究の落差を知ります。これが自らの目指す先行研究の方向性を定めることも多いです。また、この段階では今行きたい大学・学部の先生の先行研究は、当然その論文の先行研究を踏まえた上で作っているわけですから、今行きたい大学・学部の先生の先行研究が一番最先端である可能性も高いので、海外も含めた参考文献リストを読みながら、その研究を象徴するキーワードをしっかりメモしておきましょう。
その上で、そのキーワードをGoogle scholarで検索にかけます。そうすると必ず、何か新しい画期的な研究が見つかるはずです。それがまさにあなたがこれから日本でやるべきことになります。

↑ 作るべき論文調査シートの例

・ 海外の先行研究調査の際の注意点

さて、ここは海外の先行研究調査の際の注意点ですが、当然ですが信頼性の高い論文を見つけることが大切になります。Google scholarは信頼性の高い論文を見つける上で、非常にすぐれた仕組みを持っていますが、引用論文数が多いこと、国際的に権威・信用のある学会で発表されていることなどを確認してください。
また、こうしたことを調べるのはなかなか骨が折れることではありますが、他にもGoogle scholarには論文というよりも随筆・書評のような文章が引っかかることも多いようです。特に日本独特の研究慣行として「論文博士」「招聘教授」という慣行があり、特にSFCに多いのですが、実務家などで活躍している人を博士号がないままに教授にしているがゆえにアカデミックな研究をした経験が教授自身になかったり、あるいは現在まともな研究活動を行っていないケースがあります。こういう教授はそもそも志望理由書で書かないようにしましょう。書くことがなくなります。(案外有名な先生でもこういう先生は多いのです。)

・ 海外の先行研究と日本の先行研究の差を求める

先にも触れたように、行きたい大学・学部の教授の研究と海外の先行研究の差を求める上で、最も大切なことは、行きたい大学・学部の教授の研究も海外の先行研究も、どちらも全力で研究活動をしている研究者のものであることです。この前提が満たされていなければ、そもそも両者を比較することなどできません。
その上で、もう一つ理解しておいてほしいこととしては、海外の先行研究とあなたの行きたい大学・学部の先生の先行研究で、海外の先行研究が優れていて、あなたの行きたい大学・学部の先生の先行研究が劣っていたとしても、それはあなたが行きたい大学・学部の先生の先行研究が劣っているということではないことです。
そもそも、研究にはさまざまな方向性があります。行きたい大学・学部の教授がAという方向性ではなくBという方向性を目指して研究しており、他の研究はAという方向性で研究しているだけかもしれません。こういった場合にも、あなた自身がAという方向性の研究も日本には必要だと考えていれば、正々堂々Aという方向性の研究を進めることを志望理由書に書くべきです。なぜなら、学問はそうした批判と検証の中でしか真実に近づくことができず、批判を許容する精神こそが学問の精神だからです。

・ 海外の先行研究はそのまま日本でも使えるわけではない〜ローカライズの必要性〜

ここでもう一つ注意しなければならないこととしては、海外の先行研究は必ずしもそのまま日本でも使えるわけではないということです。
そもそも、理系分野のような世界中のどこでやっても同じ方法で同じく実験すれば等しい結果が得られる学問であればいざしらず、文系分野ではそもそも研究の対象となる人間の性質が日本国内と海外ではかなり異なります。ですから、そのことを考慮に入れて研究のプロセスを考えないと思わぬ障壁に悩まされることになります。
たとえば、外国人であれば難なく協力を得られることが、日本人からは協力が得難いこともあります。こうした文化の違いなどは研究プロセスを考える上で特に注意して考えておくべきことです。たかだかAO入試なのに大げさな、と思われるかもしれませんがそんなことはありません。AO入試ではこうした質問が面接で飛ぶことも多いのです。ですから、そうした視点を持って考えることがとても大切です。
こうした志望理由書の評価で軸になるのは「新規性」×「実効性」です。新規性というのは、そのプロジェクトがいままでにない新しいもので、かつ今日の社会から必要とされているものかどうかという視点です。一方、実効性というのは、そのプロジェクトが本当に実現可能なのか、障壁があるとしたらその障壁をどのように解決するのか考え抜かれているかという視点からの検討です。この双方が非常に大切になります。

・ 海外の先行研究をローカライズすることにより生まれる価値

こうしたことを考え抜くことで、海外の先行研究にはない新たな価値が生まれることもありえます。たとえば、日本や韓国は儒教文化圏であり、儒教の影響が極めて強い地域として知られていますが、そうした地域だからこそ意味を持つ説明変数があるかもしれません。こうした視点をもって考えると、諸外国では決して有意な結果を見せなかった説明変数が結果として重要になってくることもあります。
多くの場合、科学的であるということは、世界中のどこで行っても、同じ実験を同じ材料で行った場合同じ結果が出ることです。しかし、社会科学の分野では、同じ検体で同じ実験を行うことはほぼないわけですから、当然ローカライズが必要になります。そうした中で考えた試行錯誤もあなたの研究の大切な価値になるでしょう。

・ ローカライズできない分野の研究はどうするか

では、ローカライズできない分野、特に自然科学分野の研究についてはどうしたら良いでしょうか。
ひとつ考えなければいけないのは、方法論を変えてみるということです。ある方法が主流の中で、その主流の方法が抱える問題点を探り、新しい方法論を提起する。もちろんそこに至るまでの詳細な道筋などは、AO受験の準備をしている段階では十分見いだせないかもしれませんが、少なくとも的を射た論理的な仮説ぐらいは用意すべきです。
そもそも、自然科学分野でAOに出願すること自体がある程度高いハードルなので、そうした挑戦をしている時点である程度の知識はあるのだと思いますが、その上でAO入試で特に大切になってくるのが、多くの人と対照的な結論にもかかわらず、論理的な筋が通っていて納得させられるようなアイディアです。こうしたアイディアこそが人を魅了します。そう考えると、とにかくそこに至るまで悪戦苦闘し、そのアイディアを見つけるまであがきつづけることが大切です。もちろん、他の専門家のアドバイスが必要なことも言うまでもないことでしょう。大学教授などは、意外と論文を書いた本人にメールを送ると親身・真摯に対応することが習性になっている人も多いので、そういった先生を見つけてアドバイスを受けるのも一つです。

・ 疑問・批判は知識から生まれる

また、論文を一通り読んでいても、教授の論文と海外の先行研究の違いなど分からない、まして行きたい大学・学部の教授の論文に対しての疑問・批判など浮かびようがないという人もいるかもしれません。そういう人は、やはり「AO入試はセンスなんだ……」と諦めてしまうでしょう。しかし、声を大にして言います。AO入試はセンスではありません。
では、志望理由書を書く上で必要な疑問・批判はどこから生まれるのでしょうか。それは、知識量です。とにかくその分野に対する知識量だけが、志望理由書を書く上で必要な疑問・批判を生みます。ですから、論文を読んで、なにも批判点・疑問点が浮かばないということは、その分野についての知識がまだ足りない、少なくとも早慶上智の志望理由書を書く段階にまでは達していないということです。ですから、まずはなにはともあれ知識をつけることが大切です。
知識を受ける上では、書店などにいくと「さるでも分かる」「バカでも分かる」という類の本が散見していますが(なんならこの本もそうした有象無象の一つですが)、なるべくであればそういう本は読まずに、研究者が一般の方向けに書かれている本を読むべきです。最悪でも新書、できれば研究者の方が書いている単行本を「買って」読みましょう。
私がここまで背景知識の付け方にうるさいのには理由があります。まず第一に、「さるでも分かる」「バカでも分かる」という類の本は書いている本人の知能が猿並み・バカ並みという事例が散見されるからです。特に、出版不況が著しくなってから、出版社は出版不況を克服するために出版点数を増やすという方針になりつつあります。そしてつまらない本が数多く出回り、またそれが出版不況を加速させるという悪循環に至っているのが今の出版業界です。そうした中では、編集者のチェックもゆるくなり、必然的に事実関係に大きな誤りのある本が出回りがちです。この本については、しっかり編集者も付き加筆修正していますが、そうではない出版のあり方も多数あります。私はもともと大学時代は公共政策・計量経済学が専門でしたが、そうした分野でも、特には大新聞でさえも明らかに間違った事実解釈を行っている例は多数あるのです。
このようなことを踏まえると、なるべく一般向けとはいえ、事実解釈に誤りの少ない本を買うことが大切です。新書よりも単行本を薦めるのも、新書よりも発行部数が少ないため比較的高級なことを書けるからです。基本的に研究における事実解釈は、簡単にしよう、わかりやすくしようと思えば思うほど誤りが入り込む余地が広くなります。そうした視点を持って本を選び、知識を付け、自分の行きたい大学・学部の先生の論文に批判意識を持てるようにしましょう。

・ 自分の行いたい研究と今の自分を滞りなくリンクさせる

また、志望理由書の書き方一般に大事なこととしては、自分の行いたい研究と今の自分を滞りなくリンクさせることです。そのために必要なこととしては、まず今の自分の強みをしっかり理解することです。今の自分がなにができて、何が出来ないのか、何が得意で、何が苦手なのか、何が好きで、何が嫌いなのか、このあたりをしっかり理解して志望理由書を書くことが大事です。
たとえば、そのための一つの客観的な基準として学校の通信表を見てみましょう。あなたはどの科目が得意で、どの科目が苦手ですか。AO入試を受けられる方には、どの科目も得意で、特段能力の凹凸がないという人もいるかもしれませんが、優秀な教え子様を含めて、私の能力・関心の凹凸がない受験生を見たことがありません。自分の得意なところを伸ばしましょう。苦手な分野で飯を食う人はいません。得意な分野を伸ばすのです。
その上で、その得意な分野を伸ばした上で、今の自分と自分の行いたい研究をしている自分が滞りなく結びつく、リンクしていくような志望理由書を書きましょう。これができるかどうかが結局のところ合否の鍵になります。

・ 「ゼミに入れたい」と教授が思う学生像を目指す

結局のところ、AO入試はどのような受験生が合格するのか。
多くの受験生が悩む課題の一つですが、この悩みに一石を投じる記事が発表されました。その新聞記事では、慶應SFCに入れたい受験生像として「自分のゼミ(SFCでは研究会といいます)に入れたい人」という慶應SFCの大学教授の声を紹介しています。
これは間違いなく一つの重要な解答です。ここから分かることは、AO入試で求められている要素として、教授がどのような受験生を自分のゼミの学生にしたいと考えているかを把握することが大切だということです。
もしあなたがゼミを主宰する教授であれば、どのような学生が自分のゼミにいてほしいと思うでしょうか。大学教授とは、真実の追求のためには批判を受けそれを検証することが大切であるという学問の定理を十分理解している人々ですから、そういう人々にとって、なによりもありがたいゼミの構成員は、自分の研究を前に進めてくれるゼミ生でしょう。そういう観点から私はもうすでに研究の一線から退いた教授の名前を志望理由書に書くべきではないと考えています。

・ 頭がいい人が苦手なことは、リスクを取ること

さて、ここまでの内容は、この本を読んでいる受験生でしたら誰でもすることです。私は慶應SFC対策の本も書いていますが、その本は初版1500部発行して、だいたい2年おきに増刷しているので、年間750冊は売れていることになります。SFCの全受験生は3000人程度ですから、慶應SFC受験生の25%が私の本を読んでいるわけです。この本も同じように、いやそれ以上の割合の受験生の目に触れることになるでしょう。ということは、この本を読んで、この本に書かれてあることを愚直に実行するだけでは、あなたの合格が危うい可能性は十分にありえます。
そこであなたに提案したいことが二つあります。第一には、この本を読んだら毎日学習会に相談し、10日間無料相談で志望理由書や自由記述などをしっかりブラッシュアップすることです。これをするだけで、この本を読んでいる他の受験生と大きな差をつけることができます。そして、もう一つ、これが本質的なことなのですが、AO入試を受験するためにぜひ適切なリスクを取っていただきたいということです。この話をもっと詳しくします。

・ 高校中退でも不登校でも偏差値40でもそれでもなお取りたいと思わせるには

ここまで志望理由書作りについて、縷縷述べてきましたが、結局のところ大事なのは、高校中退でも不登校でも偏差値40でも入れてしまいたいと思わせるほどに、志望理由書が、そして受験生自身が魅力的なことです。実際私は、高校中退者も不登校の受験生も偏差値40の受験生も、いずれも早慶上智の中でもっとも審査が厳しいとされる慶應SFCの書類審査に通したことがありますし、うち不登校の受験生と偏差値40の受験生は書類だけでなく慶應SFCAOで最終合格しました。高校中退歴のあるの受験生も上智大学に最終合格しました。
正直なところ、高校中退、不登校、偏差値40というのはAO入試を受けるにはあまりに重すぎる十字架です。にもかかわらず、書類通過、そして最終合格を果たすこともあるのです。この事実から分かることは、こうしたスティグマがあっても、受かる人は受かるべくして受かるということです。高校中退でも不登校でも偏差値40でもそれでもなお取りたいと思わせるには、徹底的に学問の作法、研究のプロセスに基づいた志望理由書を作ることが大切なのです。

・ 慶應SFC現役教授が語る「SFCらしさ」とは

また、慶應SFCのAO入試の場合には、「SFCらしさ」が強く求められることも忘れてはなりません。ここでいうSFCらしさとはなにか、慶應SFCのAO入試に合格するにはどうすればよいか、それを明らかにする慶應SFCの印南一路教授の著書内の記述がございますので、少々長くなりますが引用します。

=引用開始=

=引用終了=

引用元:印南一路「人生を変える選択力」

・ 「らしさ」を重視する選考基準はSFCだけではない

このようならしさが求められるのはなにも慶應SFCだけではありません。早稲田大学のいずれの学部でも、上智大学のいずれの学部でも等しく「らしさ」は求められます。
自分はどの大学のどの学部に適応しているのか、それを正しく理解するためにはまず、大学が出している公式のアドミッション・ポリシーやパンフレットを熟読することが大切です。こうした大学が出している公式な書類は、きれいごとばかり書いてあるように思えますが、実際には必ずその大学・学部の「好み」が出ています。好みとはなにか。言い方を変えれば、何を好み、何を嫌うかを規定することです。少なくともあるものが好きであるということは、それ以外のものについては嫌いか無関心であるといえます。自分自身の存在がその大学・学部の「嫌い」ないしは「無関心」ゾーンに入っていないかを冷静に検討することが大切です。

・ 志望理由書に求められる論理構成

その上で、志望理由書で求められる論理構成は下記の通りです。このテンプレートに合わせた上で、前述の志望理由書執筆の進め方を守れば、自分と相性のいい大学・学部を選ぶことさえできれば(それがない場合もあります。その場合は一般入試でがんばりましょう)、必ず書類通過できる志望理由書が完成します。

【志望理由書の書き方テンプレート】

■ 議論の整理……自分が行きたい大学・学部の師事したい教授の先行論文の内容の要約、問題を解く上で前提となる事実のまとめ

(共通の前提)………自分が行きたい大学・学部の師事したい教授の先行論文中で相対しているそれぞれの論に共通する共通の前提

(議論の論点)……自分が行きたい大学・学部の師事したい教授の先行論文中で異なる意見の論が食い違っている部分のまとめ(一般論vs教授の論etc)、自分の活動実績

■ 問題発見

(問題の発見)……ここで答えている問題の設定

■ 論証……問題についての原因の分析

(論証A)……ぱっと思いつく原因

(論証B)……ぱっと思いつく原因の原因

(論証C)……ぱっと思いつく原因の原因の原因

※ これ以外に帰納法・演繹法を使うこともある

□ 帰納法

・ 例の列挙(たとえば〜)
・ 法則性を導く(このことから〜といえる)
・ 例外を検討する(ただし〜という例外も考慮に入れる必要がある)

□ 演繹法

・ ルールを定立する(ここでは〜)
・ 具体例を紹介する(たとえば〜)
・ 具体例をルールに当てはめる(ここで〜を〜に当てはめると、〜と言える)

□ 言い分方式

・ 利害関係者Aの主張(たしかに〜)と根拠(なぜなら〜)を書く
・ 利害関係者Bの主張(しかし〜)と根拠(なぜなら〜)を書く
・ 仲裁者Cの主張(よって〜)と根拠(なぜなら〜)を書く

■ 解決策or結論or結果……論考から導かれた解決策or結論or結果

(Cから導かれる解決策or結論or結果)……論証Cから導かれた解決策or結論or結果
→ ここに志望している大学・学部で〜について〜の角度から研究したい、というような内容を入れる。キャリアビジョンも入れる。

(その根拠)……その根拠となる議論

(その具体例)……その根拠を支える複数の具体例の例示

■ 解決策or結論or結果の吟味……解決策or結論or結果を批判し、その批判を再批判することで議論の精度を高める

(他の解決策or結論or結果との比較)……他の解決策or結論や結果と比較して妥当性を検証

(利害関係者検討)……誰が損して誰が得するかを考えて妥当性を検証 ※ 必要ないこともある

(最終的な解決策or結論or結論の確認)……その結果としてどのように結果を着地させるかまとめる

・ 志望理由書の書く際の先行論文の扱い方に関する注意

また、最後になりますが、志望理由書を書く際に高校生が見落としがちな意外な注意点としては、志望理由書の書く際の先行論文の扱い方についてです。
これについては、日本語の先行論文を読んでいるときの参考文献のフォーマットをそのまま真似すればおおよそ問題はありません。また、論文中で先行論文の記述を引用する際にも、日本語の先行論文で使われているフォーマットを守りましょう。このあたりについてフォーマルなフォーマットが分からない方は、LINEいただければ無料でその日のうちに対応しますので、お問い合わせください。このフォーマットを守ることは志望理由書でも大切にすべき学問的作法の最重要要素です。

AO入試・小論文に関するご相談・10日間無料添削はこちらから

「AO入試、どうしたらいいか分からない……」「小論文、添削してくれる人がいない……」という方は、こちらからご相談ください。
(毎日学習会の代表林が相談対応させていただきます!)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です