■ 議論の整理・・・
化学療法の一つである抗がん剤治療ではがん細胞を死滅させ増殖を抑制する一方で、正常の細胞にも同様の作用を引き起こす。これにより、倦怠感や嘔気・嘔吐や脱毛などの有害反応が発生する。近年、医療の進歩により、従来よりも有害反応が出にくい抗がん剤も開発され、外来で抗がん剤治療をすることができるようになった。医療法の改正により、入院ではなく外来で抗がん剤治療をすることが促進された。本田 晶子先生の論文※では、外来で化学療法を受ける乳がん患者の生活における倦怠感を研究されている。
■ 問題発見・・・
それでは、外来における抗がん剤治療ではどのような不安や気がかりがあるのでしょうか。
■ 論証・・・
まずは再発・転移への不安が挙げられる。抗がん剤治療は絶対的なものではないため、再発・転移に対して、恐怖や不安を感じる事が予想される。抗がん剤治療の効果が小さい場合、他の治療法はほとんどないため、患者は抗がん剤治療の反応性が気になってしまう。患者の悩みや不安を聴きくことで、支援を提供するべきである。再発・転移なく治療が無事終了した場合も、定期通院をドロップアウトしないように伝えることが重要である。再発の可能性は否定できず、定期的に検査を受けるが早期発見・治療につながるからである。また、家事や仕事に対する不安も予想される。人に必要とされることで、自分の存在価値を実感できる。家事や仕事がどの程度できるかを見極め、無理のない範囲で実行できるように支援することが重要である。また、家事や仕事が困難な場合は、他者との交流を促進させるべきである。他者との交流を通じ、不安や気がかりを共有することで、がん患者のQOL向上につながる。
■ 結論・・・
このように外来における抗がん剤治療の不安には、心理的側面と社会的側面があり、個々人の状況に対応して看護を提供するべきである。
■ 結論の吟味・・・
本田 晶子先生に師事することで、がん看護について実践的に学び研究できると考え、慶應義塾看護医療学部への入学を志望している。
※本田 晶子.外来で化学療法を受ける乳がん患者の生活における倦怠感.修士論文,2006.
コメントを残す