慶應義塾大学 看護医療学部 AO入試 志望理由書 提出例(添田 英津子研究会向け)

■ 議論の整理・・・

近年、日本において臓器移植医療が大きく発展し、1997年に心停止後だけでなく脳死下での臓器移植の言及を含む「臓器移植法」が施行された。そして、2009年に同法が改正された。改正内容としては、、本人の書面による意思表示がない場合であっても、本人の臓器提供を拒否する意向が認められない場合には、家族の承諾による脳死下での臓器提供が可能であることや、臓器提供が可能な対象年齢の引き下げ、ならびに虐待を受けた疑いのある子どもからの臓器提供は行わないことが挙げられる。臓器移植医療は医学進歩の象徴とされることもある一方で、臓器移植法に違反する臓器売買や登録患者の選定に伴うトラブルなどで社会的問題になることもある。臓器移植には人の意志を尊重した高い倫理性が不可欠である。※1※2貴学の論文では臓器移植に関する様々な研究をされている。論文※1ではレシピエント移植コーディーネーターの役割を研究している。論文※2では生体肝移植を受けるまでの看護を研究されている。

■ 問題発見・・・

臓器移植における看護の役割とは何であろうか。

■ 論証・・・

看護師の最大の役割はドナーとレシピエントの双方を尊重しケアをすることであると考える。ドナーの苦悩や迷いを傾聴することが重要である。不安や葛藤を吐露できるように積極的に介入することが場合によっては有効である。提供者として評価検査をクリアしたドナー候補者は、レシピエントを助けたいという意志で決断したと思われるが、臓器摘出という高侵襲行為やその合併症の可能性など不安や恐怖は絶えないことが予想される。看護師はその葛藤を表出できるように介入するべきである。そうすることで、患者は気持ちの整理ができ、精神的安定につながる。一方で、 レシピエントの苦悩へのケアも重要である。レシピエントについては、ドナーから臓器提供を受けたことによる負債感や拒絶反応の可能性、また高額な医療費などの苦悩が考えられる。看護師はエビデンスに基づいた情報開示を積極的にするべきである。ドナーが受ける身体的侵襲や極度の不安や恐怖心等を認識することで、知らないことの恐怖が軽減される。また、拒絶反応の種類や確率も明確に理解するべきである。移植のデメリットも受け止めたうえで、治療方針を決定していける。

■ 結論・・・

以上より、臓器移植医療においては看護師は書類業務や手術補助だけでなく、ドナーとレシピエントの精神的ケアをするべきである。

■ 結論の吟味・・・

添田 英津子准教授に師事することで、移植医療における看護を多面的に研究できる考え、慶應義塾看護医療学部への入学を希望している。

 

※1添田 英津子.(2011)「レシピエント移植コーディネーターの役割」医学のあゆみ   237(5) 447-452

 

※2添田 英津子.(2010)「生体肝移植を受けるまでの看護実践 ②ドナーとなる家族への意思決定支援と家族ケア」小児看護   33(6) 738-742

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