■ 議論の整理・・・
ストレス社会と言われる現代において、精神疾患への注目が集まっている。精神疾患を有する患者数は約400万人と言われている。入院患者は減少傾向にある一方で、外来患者が増加傾向にあり、認知症やうつ病などが増加していることが予想される。また精神病床数は減少しつつあるが、国際的には日本の病床数は非常に多い。また、在院日数も国際的に非常に長い傾向にある。改善に向かいつつあるものの、日本においては精神疾患は病院内で完結させられ、社会復帰への志向が弱いと言われている。※福田紀子准教授の論文ではがん患者の抑うつ状態を改善するためのケア・パッケージを用いた精神看護専門看護師による介入の効果を検討を行っている。
■ 問題発見・・・
この先、精神医療・看護はどのように変化すればいいのでしょうか。
■ 論証・・・
今後は精神疾患に対するケアは地域での生活を中心とした場で行われるべきである。病院に閉じ込めておくのではなく、医療施設や保健所などが連携して地域で治療を進めていくことで、精神障害者は生き生きと自分らしく暮らすことができる。精神障害にも対応できる地域包括ケアシステムの構築し、精神障害者も含め地域住民が安心・安全に暮らせることを目指して障害福祉計画を立てるべきである。医療・福祉・保健従事者が話し合いを重ね、連携を強化することが求められる。また一口に精神疾患と言っても様々な種類があり、それぞれに適した対応が必要である。統合失調症、うつ病、認知症、発達障害、アルコール依存症など多くの精神疾患が存在しており、通り一遍のケアでは対応できない。地域ごとに連携を強化し、支援体制の構築が必要である。またそれに応じて精神病床も分化していくべきである。
■ 結論・・・
以上より、精神医療・看護は生活の場で治療を進め、そのためには地域と医療が連携して、個別的なきめ細かいケアが提供されるべきである。
■ 結論の吟味・・・
福田紀子准教授に師事することで、精神看護について多面的に学び研究できる考え、慶應義塾看護医療学部への入学を志望している。
※野末 聖香, 宇佐美 しおり, 福田 紀子, 桑原 武夫, 石井 美智子, 福嶋 好重, 林田 由美子, 安藤 幸子, 上野 恭子, 下川 恒生.(2016)「がん患者の抑うつ状態に対する精神看護専門看護師によるケアの効果―無作為化比較試験による検討―」日本看護科学会誌 36 巻
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