■議論の整理・・・
日本・韓国など東アジアにおいてはうつ病の発症率が世界的にも低い傾向にあるが、逆に日本や韓国の自殺率は非常に高いと言われている。うつ病は一般にもよく知られた病気であり、早期治療に繋がっている人も多い一方で、まだ受診に至っていない潜在的な患者も多数いて、最後の手段として自殺を選択してしまうことが問題となっている。日本人は困難にぶつかった際に、根性で乗り切ることを美徳とする風潮がある。それによる過度のストレスがうつ病の発症リスクの1つになっていると考えらえる。たとえうつ病になっても、それを隠さねばならないと考え、次第に追い込まれ最終的に自殺に至ってしまうこともある。朴 順禮先生の論文※ではうつ病に対する、精神療法や認知行動療法を研究されている。
■問題発見・・・
うつ病患者を看護する際は、どのように接するべきであろうか。
■論証・・・
うつ病患者に対して、過度の干渉は、本人の不安をあおる結果となり得る。ゆっくり療養できる環境を整えることが重要である。例えば、気分上がらず、仕事がうまく進まない人に対しては、「もう少しだけ頑張ろう」などと声をかけるのではなく、今はとにかく休むことが最優先であると伝えるべきである。予防法を指導することも必要である。毎日の小さなストレスに対しては趣味や軽いランニングやストレッチなどのストレス解消法が有効であると考えられる。また深刻な問題に直面した時は、冷静に解決の手順を考え、1人で手に負えない場合は誰かに相談したりすることが重要である。失敗してしまった時は、その経験を周りに話すことで溜め込まずに負の感情を発散できる。再発の可能性もあるので、患者の様子や言動には注意して、家庭で経過観察する必要がある。
■結論・・・
以上より、過度に励ましたりするのではなく、静かに休めるようにケアして、そして再発予防に努めることが重要であると考える。
■結論の吟味・・・
朴 順禮先生に師事することで、うつ病を含む精神病患者の看護を学び研究することができると考え、慶應義塾大学看護医療学部への入学を志望している。
※朴順禮.(2007)「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」 平成16-18年度 総合研究報告書 62-71
コメントを残す