■ 議論の整理・・・
日本人女性において乳がん罹患者の数は増加しており,特に40歳代から乳がんに罹患するリスクが高くなる。そのため,40歳を過ぎたら自覚症状がない女性でも,2年に1回は乳がん検診を受けることが推奨されている。遺伝性乳がん家系の女性は,40歳未満から検診を受けることが勧められている。一方で、がんの中では、乳がんの死亡率は低い傾向にあるため、乳がん患者においてはquality of life(QOL)を重要視する必要がある。貴学の論文※1※2では、乳がん患者のQOLに注目して、全人的医療を考察している。※1論文では患者の意向を最重要視し、乳がんの術式を決定していくことを提言している。また、※2論文では乳がん女性を対象とした継続型サポートグループの評価として,参加満足度と居心地のよさに影響する要因を明らかにしている。
■ 問題発見・・・
では、乳がん患者のQOLを左右する要因は何が考えられるだろうか。
■ 論証・・・
その答えを考えるには、まずは医療と生活を同一直線上で捉える必要がある。両者は切っても切り離せない関係にある。食生活を含む生活習慣と乳がんの関係や術後における家族との向きあい方や働きながら治療受けることの大変さ等、様々な事を考慮しなければならない。また、近年では分子標的薬が保険承認となり、治療成績も向上している一方で、それに伴う医療費の高騰も見逃すことはできない。このように、個々の置かれている状況によって、QOLは大きく変わってくる。
■ 結論・・・
そこで私は、個々人の状況を把握して、それに応じたケアが必要であると考える。そうすることで、乳がん患者は自分に最も適した治療を受けることができ、その後も適切なサポートを受けられる。乳房部分切除術と乳房全摘術を比較した時、整容面の問題や二次障害のリスクなどを大きく異なる。医療者は患者の状況を考慮し、患者共に選択していく必要がる。
■ 結論の吟味・・・
貴学では、乳がんをただ治すだけではなく、患者のライフスタイルに応じた治療法選択や継続的サポートを学ぶことができる。したがって、乳がん患者のケアを学ぶためには慶応義塾大学看護医療学部が最も適していると考えられ、入学を志望している。
※1大坂和可子, 山内英子. 乳房再建を含む乳がん術式決定における患者中心の意思決定支援とディシジョンエイド活用の動向(総説). Oncoplastic Breast Surgery, 2018; 3巻3-4号:51-58.
※2大坂和可子, 川端 愛,細田志衣,大畑美里,矢ケ崎香,細川恵子,我妻志保,金井久子,小松浩子. 乳がん女性を対象とした継続型サポートグループの評価. 参加満足度と居心地のよさに影響する要因聖路加看護学会誌, 2016; 19(2): 46-53.
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