慶應義塾大学 法学部法律学科 FIT入試 志望理由書 提出例(山本 爲三郎研究会向け)

■議論の整理論

営業譲渡とは「営業」の「譲渡」である。譲渡の対象としての営業概念が成立することを前提とする。しかしながら、何を指して「営業」と呼ぶのか、また何がなされれば「営業譲渡」と認められるのかについて、従来から周知の論争がなされている。さらに、商法総則上において、判例による著名な営業譲渡概念の提示がなされている。議論は尽くされているようでもあるが、営業譲渡の法構造と現行法規整の関係は未だに明確にされていないように思われる。

したがって、それを構成する個々の物や債権等の価値の総和を超える経済的価値を有する点に譲渡の対象としての営業を観念する意味があり、それを構成する物、債権・債務や事実関係等に出入変更があっても同一性を観念できる点に営業譲渡の可能性がある(*1)。

 

■問題発見

ここで判例から見る「戦略的監視」における情報自己決定権に与える影響に関する課題について改めて考えてみたい。

 

■論証

営業譲渡の概念をいかに捉えるかは、競業避止義務の位置づけに影響を与えると思われる。特に、営業譲渡の 性質上あるいは理論上、当然に競業避止義務が生じると解すると、競業避止義務は営業譲渡の不可欠の要素と構 成されそうである。

しかしながら、営業譲渡と競走避止義務から論理必然的に競業避止義務が導かれるわけではない。これを肯定する所説は営業活動の承継や得意先関係の 譲渡の概念に始めから競業避止義務を織り込んでおり、説明が循環してしまっている。営業譲渡自体とその効果 としての競業避止義務は区別して考えるべきであり、競業避止義務を営業譲渡の不可欠の要素と捉えるのは正しくないのである。営業を譲渡しておきながら、不正競争の目的で譲渡人が競業をなすのは、営業譲渡当事者の意思、営業譲渡の趣旨に反するのが普通であり、 これが三項の競業避止義務として規定されているのである。さらに、右のような競業避止義務を超えた一般的な(不正競争の目的の有無は問わない)競業避止義務特約をも肯定した上で、自由競争原則との調整を図ったのが一 項二項である。

しかし、学説・判例の議論が商法245条の営業譲 渡概念の意味づけに集中しており、その前提となるはずの営業譲渡についての検討が不十分である。したがって、営業譲渡自体の概念、商法二四五 条の営業譲渡の意味、さらに営業譲渡の企業結合法の中での位置づけに関して今後さらに検討すべきである(*1)。

 

■結論

そこで営業譲渡自体及び営業譲渡の企業結合法の中での位置づけの研究を通じて商法における営業譲渡と競業避止義務の役割について研究したいと考えている。

 

■結論の吟味

上述の研究を遂行するため,貴学法学部法律学科に入学し,商法を専門に研究している山本爲三郎教授の研究会に入会することを強く希望する。

 

※1山本爲三郎(2006)「営業譲渡と競業避止義務」法學研究 : 法律・政治・社会 (Journal of law, politics, and sociology). Vol.73, No.2 (2000. 2) ,p.89- 111

 

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