2016年度FIT入試第2次選考概要(B方式)
1.総合考査Ⅰの概要 •設問の内容:
総務省統計局『国勢調査』・『人口推計』および国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成24年1月推計):出生中位・死亡中位推計』をもとに作成した「日本の人口推移」(1950年~2060年)の図表、および厚生労働省『社会保障費用統計』をもとに作成した「社会保障給付費の部門別推移」(1965年~2010年)の図表を示し、これらの資料から読み取ることができる現象とその問題点を整理してまとめることを求めました。
- 解答の形式:A3原稿用紙形式・400字程度。
- 試験時間:45分
参考URL:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/zenbun/s1_1_1_02.html
参考URL:https://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h28/fsss_h28.asp
2.総合考査Ⅱの概要 •設問の内容:
来年1月1日から人類が鳥のように空を飛べるようになると仮定します。現在の法律および社会通念は人が空を自由に飛ぶことを前提としていないため、さまざまな混乱が生じると考えられます。どのような問題が起こるかを予測し、その解決策とあわせて400字程度で述べてください。
- 解答の形式:A3原稿用紙形式・400字程度。
- 試験時間:45分
≪総合考査Ⅰ 解答例≫
【議論の整理・問題発見・論証】
「日本の人口推移」によれば、若年層が将来的に徐々に減少していき、働き盛りの青年・壮年層が激減していくことが理解できる。それと同時に、年金受給者となり、介護や社会福祉が必要となる老年層の割合が急拡大していく。これが少子高齢化現象と呼ばれる現象である。また、「社会保障給付費の部門別推移」によれば、全体的な社会保障給付額が年々増加していることがわかる。その内訳をみると、年金給付額が近年増加傾向から減少傾向に転換したものの、医療費用と福祉・介護費用の増加傾向が変化しないことにより、全体の社会保障給付額の増加が止まらなくなっていることが理解できる。
【結論】
このように、老年層の増加に伴い、社会保障給付額が全体として年々増加しているにも関わらず、将来的には人口に占める働き手(青年・壮年層)の割合が減少し、将来世代における社会保障の負担が急増することが少子高齢化問題では懸念されている。
≪総合考査Ⅱ 解答例≫
【議論の整理・問題発見・結論】
人間が鳥のように空を飛べるようになった場合、飛べる距離・高度・スピードにも影響を受けるが、道路事情と同様に、人口密集地域での人間同士の空での衝突や飛行が危険な地域での危険飛行・迷惑飛行が懸念される。例えば、飛行中に何かに衝突をして気絶すると、人間はそのまま地面にたたき落とされるため、空中での救助活動等のために建物の高層化が進む。また、空中通路の交通網整理が急速に進むことが予想され、道路標識と同様の空中標識が至るところに出現する。都心の電線も飛行上邪魔となるため、順次撤去される。また、たばこの空中からの投げ捨てや空中での小銭の落下でさえ、地上においては火災や怪我を誘発する極めて危険な落下物となるため、空中利用上の法律整備、高速飛行装置の飛行地域での飛行禁止や、空中飛行中の男女の破廉恥行為の禁止などの飛行マナーの周知が行われ、空中利用上の社会常識が醸成される可能性が高い。
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