慶應義塾大学 法学部 FIT入試 A方式 2015年 論述問題 解答例

■設問

模擬講義の概要
講義のテーマ:第一次世界大戦と日本-日本陸軍に与えた影響を中心に-
講義の概要:
第一次世界大戦とは何か
第一次世界大戦は日本にとって「対岸の火事」にすぎなかったのか
日露戦争は第一次世界大戦とどう関わるのか
日本陸海軍は第一次世界大戦をどこまで研究したのか
「総力戦」とは何か-エルンスト・ユンガーの「総力戦論」を紹介しつつ-
日本陸軍は「タンネンベルク殲滅戦」をなぜ絶対視するに至ったのか
満洲事変はどうして計画されたのか
日本の「第一次世界大戦経験」は第二次世界大戦に結局どうつながったのか
*大学1年生が受講して理解できるレベルの講義(50分)を行う。

論述形式試験の概要
論述の設問内容: 
「持たざる国」、日本が無謀な第二次世界大戦に乗り出していったのはなぜか。従来の定説を覆そうとしている講義者の主張の要点をまとめ、それに対するあなた自身の見解を述べなさい。

■ 答案構成

5STEPで書く

議論の整理→従来の定説及び講義者の主張の要点のまとめ

問題発見→講義者の主張の問題点

論証→軍人の独断には限界がある

結論→第一次世界対戦と第二次世界大戦のつながりは定説どおりである

結論の吟味→軍人の意見が関わりあるとしてもそれは大部分を占めない

■答案

議論の整理→従来の定説及び講義者の主張の要点のまとめ

第一次世界大戦とは、ドイツやオーストラリアを中心とする同盟国とイギリス、フランス、ロシアを中心とした連合国による世界を巻き込んだ総力戦である。ヨーロッパにおいて、物の生産技術の向上がなされ、大量生産が可能となったがそれを売る相手がいない状態だった。その問題を解決するために、ヨーロッパ諸国は次々と植民地を作り始めた。植民地確保の競争が激化し、紛争や対立を生む結果となった。そんな中、オーストラリアの皇太子夫妻がセルビア人に殺されるサラエボ事件が起きたことにより、第一次世界大戦が勃発した。第一次世界大戦は日本から遠いところで始まったため、一見関係がないように思えるが、日英同盟のため連合国側として参加することになった。第一次世界大戦終了後、日本はさらなる経済圏の拡大や資源獲得のため、中国での活動を激化させていった。その結果、アメリカのヘイトを買ってしまい、第二次世界大戦に巻き込まれることになったというのが通説である。一方、講義者の主張は、日本の軍人が意図的に第二次世界大戦に参戦したというものである。第一次世界大戦時から、日本政府の決定に不満を覚える軍人は少なくなかった。なぜなら、文民統制などにより政府の独断によって決められることが多かったからである。このような背景のもと、軍人が第二次世界大戦への参戦を推し進めたと考えられる。実際に日本が第二次世界大戦に参加する原因となった満州事変は、軍人の独断によるところである。また、日本の軍人は第二次世界大戦において十分な勝機を見出していたと考えられる。その理由には、タンネンベルク殲滅戦が深く関わってくる。当時、ドイツは2倍以上の兵力があるロシアと相対することとなった。この不利な状況を覆すために、ドイツ軍は戦力を一点集中させロシア軍を圧倒した。日本軍はこのような戦略を取り入れることで、戦争において勝機があると考えていた。
私は以上の講義者の意見に反対であり、従来の見解が第二次世界大戦の原因であると考える。

問題発見→講義者の主張の問題点

講義者の主張における問題は、軍人の行動のみによって戦争にまで発展するのかという点である。

論証→軍人の独断には限界がある

仮に軍人の独断によって日本が第二次世界大戦に参加することになったとして、そう言える主たる理由は2つある。1つ目は、軍人が文民統制などによる政府の決断を不服に思っていたという点である。2つ目は、実際に満州事変が軍人の独断によって引き起こされたという点である。まず、1つ目の論点に関して、軍人が政府に対して不満の感情を覚えていたことは否定できない。多くの国民が政府に対して不満を覚えていたことは事実だからだ。しかし、不満だからという一点の理由において、わざわざ多くの死者を出す戦争に踏み切ろうというのは論理の飛躍である。したがって、政府への不満があったからといって戦争を起こそうとしたということはないと考えられる。続いて、2つ目の論点に関して、満州事変が軍人の独断であったかどうかだが、確かに満州利権の獲得という目論見や、政府と軍部との考えの差によって満州事変の原因となっていることは事実である。しかし、中国国内の情勢や中村大尉事件と柳条湖事件などの出来事も大きく影響している。したがって、軍人による独断が必ずしも第二次世界大戦に結びついたとは言えない。仮に、満州事変が軍人により故意に引き起こされたとしても、それが第二次世界大戦に参加するための行動だったという決定的証拠はない。

結論→第一次世界対戦と第二次世界大戦のつながりは定説どおりである

以上の2つの論点から導き出される結論として、軍人の独断によって日本が第二次世界大戦に参加したということは言えない。なぜなら、軍人の不満が第二次世界大戦へ参加したい理由になり得るほど大きいものだったのか不明であるし、第二次世界大戦の原因である満州事変も軍人のみが原因で引き起こされたものではないからだ。

結論の吟味→軍人の意見が関わりあるとしてもそれは大部分を占めない

仮に以上2つの論点が妥当性のあるものであり、軍人が意図的に第二次世界大戦へ参戦しようとしたとする。そのような状況下でも、軍人の行動のみが第二次世界大戦に結びついたとは言えない。政府や天皇など、日本国内における他の思惑も働いているし、アメリカなど他国の行動も複雑に絡んでくるからだ。そうであるならば、いずれにせよ軍人が第二次世界大戦参加の決定的要因とはなりえない。

第一次世界大戦とは、ドイツやオーストラリアを中心とする同盟国とイギリス、フランス、ロシアを中心とした連合国による世界を巻き込んだ総力戦である。ヨーロッパにおいて、物の生産技術の向上がなされ、大量生産が可能となったがそれを売る相手がいない状態だった。その問題を解決するために、ヨーロッパ諸国は次々と植民地を作り始めた。植民地確保の競争が激化し、紛争や対立を生む結果となった。そんな中、オーストラリアの皇太子夫妻がセルビア人に殺されるサラエボ事件が起きたことにより、第一次世界大戦が勃発した。第一次世界大戦は日本から遠いところで始まったため、一見関係がないように思えるが、日英同盟のため連合国側として参加することになった。第一次世界大戦終了後、日本はさらなる経済圏の拡大や資源獲得のため、中国での活動を激化させていった。その結果、アメリカのヘイトを買ってしまい、第二次世界大戦に巻き込まれることになったというのが通説である。一方、講義者の主張は、日本の軍人が意図的に第二次世界大戦に参戦したというものである。第一次世界大戦時から、日本政府の決定に不満を覚える軍人は少なくなかった。なぜなら、文民統制などにより政府の独断によって決められることが多かったからである。このような背景のもと、軍人が第二次世界大戦への参戦を推し進めたと考えられる。実際に日本が第二次世界大戦に参加する原因となった満州事変は、軍人の独断によるところである。また、日本の軍人は第二次世界大戦において十分な勝機を見出していたと考えられる。その理由には、タンネンベルク殲滅戦が深く関わってくる。当時、ドイツは2倍以上の兵力があるロシアと相対することとなった。この不利な状況を覆すために、ドイツ軍は戦力を一点集中させロシア軍を圧倒した。日本軍はこのような戦略を取り入れることで、戦争において勝機があると考えていた。
私は以上の講義者の意見に反対であり、従来の見解が第二次世界大戦の原因であると考える。
講義者の主張における問題は、軍人の行動のみによって戦争にまで発展するのかという点である。
仮に軍人の独断によって日本が第二次世界大戦に参加することになったとして、そう言える主たる理由は2つある。1つ目は、軍人が文民統制などによる政府の決断を不服に思っていたという点である。2つ目は、実際に満州事変が軍人の独断によって引き起こされたという点である。まず、1つ目の論点に関して、軍人が政府に対して不満の感情を覚えていたことは否定できない。多くの国民が政府に対して不満を覚えていたことは事実だからだ。しかし、不満だからという一点の理由において、わざわざ多くの死者を出す戦争に踏み切ろうというのは論理の飛躍である。したがって、政府への不満があったからといって戦争を起こそうとしたということはないと考えられる。続いて、2つ目の論点に関して、満州事変が軍人の独断であったかどうかだが、確かに満州利権の獲得という目論見や、政府と軍部との考えの差によって満州事変の原因となっていることは事実である。しかし、中国国内の情勢や中村大尉事件と柳条湖事件などの出来事も大きく影響している。したがって、軍人による独断が必ずしも第二次世界大戦に結びついたとは言えない。仮に、満州事変が軍人により故意に引き起こされたとしても、それが第二次世界大戦に参加するための行動だったという決定的証拠はない。
以上の2つの論点から導き出される結論として、軍人の独断によって日本が第二次世界大戦に参加したということは言えない。なぜなら、軍人の不満が第二次世界大戦へ参加したい理由になり得るほど大きいものだったのか不明であるし、第二次世界大戦の原因である満州事変も軍人のみが原因で引き起こされたものではないからだ。
仮に以上2つの論点が妥当性のあるものであり、軍人が意図的に第二次世界大戦へ参戦しようとしたとする。そのような状況下でも、軍人の行動のみが第二次世界大戦に結びついたとは言えない。政府や天皇など、日本国内における他の思惑も働いているし、アメリカなど他国の行動も複雑に絡んでくるからだ。そうであるならば、いずれにせよ軍人が第二次世界大戦参加の決定的要因とはなりえない。

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目次
はじめに
第1章 うつの人は自己啓発本を読むのはやめよう
第2章 うつでも生きていける起業の方法を考えよう
第3章 うつでも参入できる市場はどこか考えよう
第4章 うつでもできるビジネスプランを考えよう
第5章 払ってはいけないお金を考えよう
第6章 モチベーションについて考えよう
第7章 事業を継続させる方法を考えよう
第8章 人を雇うことについて考えよう
第9章 うつの人が生き延びる方法を大富豪から学ぼう
第10章 うつの人と社会との関係について考えよう
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