2012年度 総合考査I
【設問1】
傍線(1)『校舎そのものが学びの比喩になっている』とはどういうことですか。本文を踏まえて説明しなさい。(240字以上300字以内)
議論の整理→不要
問題発見→不要
論証→校舎と学びそれぞれの説明
ウォーリズ建築では全ての部屋の作りが一つずつ違っており、建物の一部分だけを見て全部を見た気になることが許されない。そのため、実際に自分の足で歩いて扉を開ける必要がある。そして、好奇心の報酬として、他のどの位置からも見ることのできない眺望が与えられる。一方、学びに関しては、最初に意味や価値がよくわからなくても、かすかなシグナルに反応することが大切である。学んでいる最中にはそれが具体的に何かわからなくても、自分が興味関心を持つ事柄に対して、自分の体と時間を使った人だけが得られる感動、喜びこそが学びなのだ。
解決策or結論→まとめ
だからこそ、ウォーリズの建築思想を体現している校舎自体が学びの比喩だと言える。
解決策or結論の吟味
292字
【設問2】
傍線(2)「『存在しないもの』とのコミュニケーション能力」とは、どのような能力ですか。それについて簡素に説明した上で、その能力が学問にとってもつ意義を論じなさい。(240字以上300字以内)
議論の整理→コミュニケーション能力の定義
リベラルアーツと呼ばれるものを紐解くと、「存在しないもの」との向き合い方に関する領域が多い。対話や音楽、思考など、人間の学問にとって重要な要素を占めるのは存在しないものとの関わりである。「存在しないもの」の成り立ちや制御の仕方、法則性などについて理解することをコミュニケーション能力と呼んでいる。
問題発見→学問にとって持つ意義をまとめる
自然科学や経済学、文学など全ての学問は存在しないものとの関わりによって発展する。例えば最先端の科学者がしていることは、手持ちの計測機器で計測されない何かから新しい真理を見つけ出す作業である。
論証→不要
解決策or結論→結論
このコミュニケーション能力を鍛えることで、学んだことを自分自身の生きる知恵と力にしていけるのではないか。
解決策or結論の吟味→不要
計295字
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