慶應義塾大学 文学部 自主応募入試 総合考査I 2015年 解答例

2015年度 総合考査I

【設問1】

傍線部(1)「藝術作品が惹き起こす感情の不思議な点」とは、どのようなものであり、何に由来すると述べられているか、説明しなさい。(240字以上300字以内)

議論の整理→「どのようなものか」を整理

ホラー映画や悲劇のように、現実の世界では決して体験したくないような感情でも、藝術作品の享受の場ではなぜか快楽として受け取られることである。

問題発見→不要

論証→(1)の原因をまとめる

この現象は、アリストテレスの著書でいう「ミーメーシス」と「ミュトス」という言葉に象徴される。ミーメーシスとは、現実の生活において出会う事柄の真相を普遍的な仕方で表現したもの、世界に関する根源的な真理の表現であり、ミュトスとはプロットのことを指す。この二つがそろった時に、感情を引き起こす構成を把握し、普遍的な真理について見通しよく知ることができる。その結果、藝術作品から感情を再認することができ、「学ぶこと」によって得られる快楽が直接の原因だと述べている。

解決策or結論→不要

解決策or結論の吟味→不要

計297字

ホラー映画や悲劇のように、現実の世界では決して体験したくないような感情でも、藝術作品の享受の場ではなぜか快楽として受け取られることである。

 

【設問2】

傍線部(2)「藝術作品が惹き起こす感情は、普段の生活の中で私たちの心に姿を現す感情と連続したもの」とはどういうことですか。あなたの意見を含めて論じなさい。(240字以上300字以内)

議論の整理

問題発見

普段の生活の中で生じる感情は、あまりにも身近すぎるため改めて感情として認識することが難しい。しかし、藝術作品の形で切り離されたストーリーとして感情に触れた時に、自己の感情を客観視できるのではないか。

論証

例えば、文中の例から、「仕事と恋愛どちらをとるか」という問題に直面した時の感情が呼び起こされたと仮定すると、共感や疑問、反感などなにかしらの感情が生まれるだろう。その時に初めて、普段の生活の中の感情を切り出し、改めて感情として明確化できるのではないだろうか。

解決策or結論→結論

もちろん現実は藝術作品ほど劇的な展開に恵まれないだろう。それでも、感情の動きによって得られる快感を求めて、人々は藝術作品を鑑賞するのだと考える。

解決策or結論の吟味→不要

計300字

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