議論の整理・・・内田啓一「後醍醐天皇と密教」では、後醍醐天皇が文観という僧侶から性交を伴う儀礼である真言密教の秘法を授かったことが記されている。
問題発見・・・しかし、その秘法はいわゆる乱交を伴うものであると俗に言われている。このことが、政権運営上機密漏洩につながったと考え、鎌倉幕府の倒幕失敗につながった可能性は否定できない。ところが、その点に関する学術的研究はない。
論証・・・ 真言密教の秘法が、本当に乱交を伴うものであったのかどうかからして検証する必要がある。例えば、中沢新一の報告によれば、チベット密教においても性交を伴う秘法はあるとされているが、乱交だとはされていない。更に、乱交が多人数への機密の公開につながったところまでは類推できるが、それが漏洩につながったかどうかは史料を参照しよく確認する必要がある。
結論・・・そこで私は、後醍醐天皇の行っていた宗教儀礼と政権運営の関係性について研究したい。
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