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横浜国立大学 都市社会共生学科 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(平地の都市とパートナーシップ)

横浜国立大学 都市社会共生学科 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(平地の都市とパートナーシップ)

問1【設問文】

問1. 下線部に、この平地になるという部分がとても大事なのではないかとあります。筆者はなぜそう考えるのか200字程度で記しなさい。

問1【解説】

課題文で筆者は、右肩上がり・右肩下がりという二次元の発想を、登山・下山・平地という三次元の比喩に置き換える。下山後の平地は、勝ち負けや上下関係ではなく、多様な人々が水平に集まり都市を作る時代を象徴している。

問1【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 「平地になる」部分が重要な理由を200字程度で説明する。
  • STEP2 方針: 下山後の平地を、都市・水平関係・パートナーシップに結びつける。
  • STEP3 構成: 比喩の転換、平地の意味、筆者の都市論の順にまとめる。
  • STEP4 吟味: 単に経済が停滞する意味にしない。

問1【解答】

筆者が平地を重視するのは、下山が単なる衰退ではなく、新しい社会像への移行を示すからである。右肩下がりを敗北と見ると未来は暗くなるが、山を下りて平地に着くと考えれば、人々が水平な関係で集まり、都市を中心に活動する時代を構想できる。つまり平地は、国家間の支配・被支配や上下関係を超え、パートナーシップに基づく共生を考えるための比喩なのである。

字数カウント: 169字

問2【設問文】

問2. 筆者の主張を踏まえながら、あなたが考える活力ある都市のあり方について600字程度で述べなさい。

問2【解説】

設問は、筆者の都市論を踏まえ、自分の考える「活力ある都市」を具体的に論じる問題である。筆者は、国家単位や上下関係ではなく、都市の多様性、寛容性、水平的なパートナーシップ、市民主体の活動を重視する。

問2【解答プロセス】

  • STEP1 要件確認: 筆者は、世界を山ではなく平地と捉え、都市を多様な人が水平に集まる場として評価している。
  • STEP2 問題設定: 活力ある都市を経済規模や人口増だけで測ると、排除や分断を見落とす。
  • STEP3 論証: 多様な住民が参加し、行政・専門家・市民が協働する都市ほど、課題解決力が高い。
  • STEP4 解決策: 活力ある都市とは、多様性を摩擦ごと受け止め、市民の声を制度につなぐ都市である。
  • STEP5 吟味: ただし合意形成には時間がかかるため、寛容性と意思決定の仕組みを両立させる必要がある。

問2【解答】

私が考える活力ある都市とは、人口や経済規模が大きいだけの都市ではなく、多様な人が対等な立場で関わり、課題を解決していける都市である。筆者は、世界を山と見て上昇や下降で捉えるのではなく、平地に人々が集まり水平の関係を作る時代へ移るべきだと述べる。この考えは、都市の活力を競争よりもパートナーシップに置く点で重要である。

都市には、高齢者、子育て世帯、外国人住民、障害のある人、学生、企業など多様な人が集まる。その違いは創造や文化を生む一方で、騒音、交通、言語、福祉、雇用をめぐる摩擦も生む。活力ある都市は、そうした摩擦を隠さず、住民、行政、専門家、企業が話し合う仕組みを持つべきである。

例えば防災を考えると、行政だけでなく、町内会、学校、外国人支援団体、医療機関が情報を共有しなければ、災害時に弱い人が取り残される。子どもの居場所づくりでも、学校、福祉、商店街、保護者が連携すれば、孤立を早く見つけられる。都市の力は、上からの命令だけでなく、市民一人一人が自分の経験を持ち寄り、制度を改善するところに生まれる。

もっとも、多様な意見を尊重すると意思決定が遅くなる危険もある。だからこそ、平時から参加の場を整え、緊急時には誰が何を決めるかを明確にしておく必要がある。活力ある都市とは、寛容さと決定力を両立させ、違いを排除せず公共の力に変える都市である。

字数カウント: 572字

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