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東京大学 教養学部 学際科学科 科学技術論コース 三村 太郎先生 ゼミ 志望理由書

議論の整理

私が東京大学教養学部学際科学科科学技術論コースを志望する理由は、三村 太郎先生の専門分野として示されているイスラーム科学史を手がかりに、科学知識が地域や言語を越えて受け継がれ、変化していく過程を学びたいからである。科学史を近代ヨーロッパだけの発展として理解するのではなく、ギリシア語、アラビア語、ペルシア語、ラテン語などを介した翻訳、注釈、教育、観測の積み重ねとして捉え直したい。

問題発見

高校で天文学や医学の歴史を調べた際、教科書では発見者の名前と年代が中心に並ぶ一方、その知識がどの言語で記録され、誰が読み替え、どの社会で使われたのかはほとんど扱われないことに気づいた。過去の経験として、文化祭で科学史展示を担当した時も、来場者は西洋の有名な科学者には反応したが、イスラーム世界の観測や翻訳の役割には驚いていた。この偏りは、科学を一地域の成果として見せ、知の交流を見えにくくしている。

論証

イスラーム科学史を学ぶ意義は、科学を固定された成果ではなく、人々が文献を読み、批判し、測定し、教育制度の中で再構成する営みとして理解できる点にある。翻訳は単なる言い換えではなく、概念の選択、注釈、実践との照合を伴う知的作業である。天文学や医学の知識が地域を越えて移動する過程を追えば、科学の普遍性と同時に、それを支えた言語、制度、宗教、政治の条件も見えてくる。

解決策or結論or結果

入学後は学際科学科で科学史、科学哲学、科学技術社会論を横断的に学び、イスラーム世界における翻訳と知の継承を研究したい。まず三村先生の専門分野に接続して、天文学や医学を題材に、文献がどのように翻訳され、注釈され、教育や観測の場で使われたのかを整理する。さらに、現代の科学教育が特定地域中心の物語に偏らないよう、複数地域の知的交流を示す教材や展示のあり方も考えたい。将来は、科学史を通じて異文化理解と科学リテラシーを結びつける教育・研究に携わりたい。

解決策or結論or結果の吟味

この研究では、イスラーム科学史を単に西洋科学への橋渡しとして扱う危険を避ける必要がある。地域固有の制度や実践を丁寧に見なければ、結局は中心と周辺の図式を繰り返してしまう。私は語学力と一次資料を読む基礎を段階的に身につけ、文献研究だけでなく科学技術論の視点から、知識が社会で意味を持つ条件を検討したい。

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