議論の整理
私が東京大学教養学部学際科学科総合情報学コースを志望する理由は、植田 一博先生の専門分野として示されている認知科学を手がかりに、人間がAIの助言や説明をどのように理解し、判断を変えるのかを研究したいからである。AIが正しい答えを出すだけでは、人間の意思決定が必ず良くなるとは限らない。注意、記憶、推論、感情、信頼感が情報の受け止め方を左右する。
問題発見
過去の経験として、進路選択で診断ツールを使った時、結果が数値で示されると妙に説得力を感じた一方、なぜその結論になったのか分からず不安も残った。友人の中には、AIの推薦をそのまま信じる人もいれば、説明が長いだけで拒む人もいた。高校の探究活動でアンケート結果を提示した時も、同じデータでもグラフの形や説明の順序によって受け手の反応が変わった。この経験から、人間側の認知過程を理解したいと考えた。
論証
認知科学の視点では、AI支援の成否は性能だけでなく、人間が説明をどのように読み、どの時点で信頼し、どの情報を無視するかに左右される。確証バイアス、アンカリング、認知負荷が働けば、正しい助言でも誤って使われる可能性がある。逆に、説明の形式や提示順序を工夫すれば、人間が自分の判断を振り返り、より納得して意思決定できる。情報技術を社会で使うには、人間の理解の仕組みを組み込む必要がある。
解決策or結論or結果
入学後は総合情報学コースで認知科学を学び、人間とAIの協働における認知プロセスを研究したい。具体的には、医療、教育、進路選択などの意思決定場面を想定し、AI説明文の形式を変えた実験を行い、理解、信頼、判断変化を比較する。将来は、AIを人間の判断を奪う道具ではなく、迷いや前提を可視化して学びを支える道具として設計する研究に携わりたい。
解決策or結論or結果の吟味
この研究では、人間の判断を実験室の反応だけで説明しすぎない注意が必要である。実際の意思決定には、責任、時間制約、周囲との関係、制度上の制約が関わる。私は実験と現場調査を組み合わせ、AIの説明可能性を技術側だけでなく、利用者が本当に理解し、必要な時に疑えるかという観点から検討したい。
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