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日本大学 生物資源科学部環境学科 総合型選抜1次選考 令和7年度 小論文過去問解説(水環境問題の原因と対策)

日本大学 生物資源科学部環境学科 総合型選抜1次選考 令和7年度 小論文過去問解説(水環境問題の原因と対策)

問1【解説】

設問文

水環境は人や生き物と密接に関係しています。そうした観点から、現在の水環境問題をひとつあげ,その原因と対策について,あなたの考えを述べなさい。

課題文・資料の要点

水環境問題を一つ選び、人や生き物との関係を踏まえて原因と対策を述べる問題である。ここでは、都市河川や湖沼の富栄養化を取り上げる。

設問条件の判定

  • 制限字数: 指定なしのため1000字を目安
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: 問題の原因分析と対策提案を求める環境論述である。

解答プロセス

  • STEP1 要件確認: 水環境は飲み水、生態系、農業、景観に関わる。
  • STEP2 問題設定: 富栄養化は水質悪化と生物多様性の低下を招く。
  • STEP3 論証: 生活排水、農地からの肥料流出、都市の雨水流出が原因となる。
  • STEP4 解決策: 排水処理、流域管理、住民参加を組み合わせる。
  • STEP5 吟味: 河川や湖だけを直接処理しても不十分で、流域全体で考える必要がある。

問1【解答】

私が現在の水環境問題として取り上げたいのは、都市河川や湖沼の富栄養化である。富栄養化とは、窒素やリンなどの栄養塩が水中に過剰に流入し、植物プランクトンや藻類が増えすぎる現象である。水が濁り、悪臭が発生し、酸素不足によって魚や水生生物がすみにくくなる。水環境は人間の生活と生き物の生息場所を同時に支えているため、この問題は景観だけでなく、生態系と健康にも関わる。

原因の一つは生活排水である。下水道や浄化槽が整備されていない地域では、台所や洗濯、風呂から出る排水に含まれる有機物や栄養塩が河川に流れ込む。整備されている地域でも、豪雨時に雨水と汚水が混ざって流出する場合がある。第二の原因は農地からの肥料流出である。作物に吸収されなかった窒素やリンが雨で流され、川や湖に入る。第三に、都市化によって地面がアスファルトで覆われ、雨水が短時間で水路に流れ込むことも影響する。

この問題の難しさは、原因が一つの工場や一人の住民に限られない点にある。水は流域全体を移動するため、上流の生活、農業、都市開発の影響が下流に現れる。したがって、湖や川の水だけを直接きれいにしようとしても、流入する汚濁を減らさなければ改善は続かない。さらに、水質悪化は一度進むと、底泥にたまった栄養塩が再び溶け出すなど、回復に時間がかかる場合もある。

対策として、まず生活排水処理を徹底する必要がある。下水道、合併処理浄化槽、事業所排水の管理を進め、窒素やリンを除去する処理技術を導入する。次に、農地では施肥量を適正化し、土壌診断にもとづく肥料管理を行うべきである。川沿いに植生帯を設ければ、栄養塩や土砂が直接流れ込むことを減らせる。

さらに、住民参加も重要である。水質調査、清掃活動、節水、洗剤の使い方の見直しなど、日常の行動が水環境に影響することを学ぶ機会を増やす必要がある。学校や地域団体が川の生き物調査を行えば、水質を数値だけでなく生態系の変化として理解できる。水環境を守るには、行政の施設整備、農業や企業の管理、住民の行動を結びつける流域管理が不可欠である。人と生き物が同じ水に支えられているという視点から、地域全体で水を汚さない仕組みをつくるべきである。

字数カウント: 911字

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