日本大学 生物資源科学部獣医保健看護学科 総合型選抜1次選考 令和7年度 小論文過去問解説(災害時のペット支援行動計画)
問1【解説】
設問文
あなたの居住地域外で地震による大規模災害が発生し、あなたは現地へ赴きボランティア活動を行おうとしています。災害時には様々な問題や課題が明るみに出ることから、これまでの事例に倣った準備が必要です。例えば、今年1月に発生した能登半島地震では、災害時におけるペットの取扱いが課題となっています。そこで、同様な課題に対処するための現地でのあなたの行動計画を、下記の2点に留意して具体的に書きなさい。1 あなたは獣医保健看護学を学んでいる大学生であると想定する。2 あなたの強みを盛り込み、今までボランティア活動等の経験があれば紹介する。
課題文・資料の要点
地震による大規模災害の被災地で、ペットの取扱いを含む課題に対処する行動計画を具体的に書く問題である。獣医保健看護学を学ぶ大学生という立場、自己の強み、ボランティア経験があればそれも盛り込む必要がある。
設問条件の判定
- 制限字数: 指定なしのため1000字を目安
- 意見論述の要求: あり
- 選択テンプレート: 5STEPs法
- 判定根拠: 災害時の課題分析、専門性、自己の行動計画を具体的に述べる必要がある。
解答プロセス
- STEP1 要件確認: 設問が求める「獣医保健看護学を学ぶ大学生の立場」「ペット取扱いへの行動計画」「自分の強み・経験」をすべて扱う。
- STEP2 問題設定: ペット支援は動物だけでなく、飼い主の安心、避難所運営、地域の衛生にも関わる。
- STEP3 論証: 準備不足だと、避難をためらう、避難所でトラブルが起きる、動物の病気が悪化する。
- STEP4 解決策: 現地入り前の情報収集、行政・獣医師会との連携、受付・記録・衛生・物資管理を行う。
- STEP5 吟味: 善意だけで動くのではなく、現地の指揮系統に従い、被災者の負担を増やさない。
問1【解答】
私が獣医保健看護学を学ぶ大学生として被災地でボランティアを行うなら、まず現地へ行く前に情報収集と連絡調整を行う。災害時のペット支援は、動物を助けるだけでなく、飼い主の避難行動、避難所の衛生、周囲の住民との関係にも関わる。善意だけで現地に向かえば、かえって混乱を増やす可能性があるため、自治体、獣医師会、動物愛護団体、災害ボランティアセンターの受け入れ状況を確認する。
現地では、第一にペット同伴避難者の受付と記録を手伝う。動物の種類、頭数、ワクチン歴、持病、必要な薬、飼い主の連絡先を整理することで、支援物資や診療の優先順位を考えやすくなる。第二に、避難所での衛生管理を支援する。ケージの配置、排泄物の処理、清掃、消毒、鳴き声やにおいへの配慮を行い、動物が苦手な人やアレルギーのある人とも共存できる環境を整える。
第三に、動物の健康観察を行う。食欲、元気、脱水、けが、下痢、呼吸状態などを確認し、異常があれば獣医師につなぐ。災害時には、環境変化によるストレスで体調を崩す動物も多い。飼い主も不安を抱えているため、動物の状態を一緒に確認し、落ち着いて対応できるよう声をかけたい。持病のある動物や高齢動物については、薬の残量や通院歴を記録し、診療につなげやすくする。
私の強みは、相手の話を最後まで聞き、状況を整理して行動に移すことである。これまで学校や地域の清掃活動、募金活動に参加した経験から、目立つ作業だけでなく、記録、物資整理、案内のような地道な役割が全体を支えることを学んだ。被災地でも、自分が前に出ることより、必要な場所で確実に動くことを大切にしたい。
また、支援物資については、フード、水、ペットシーツ、リード、ケージ、常備薬などを分類し、必要な人に届くよう管理する。犬、猫、小動物では必要な物資が異なるため、種類別に不足を把握する。SNSで不確かな情報を拡散せず、公式情報を確認して伝えることも重要である。現地の人が求めていない支援を押しつけないよう、毎日活動内容を振り返り、担当者に報告する。
災害時のペット支援は、動物と人の命を切り離さずに考える活動である。私は専門知識を学ぶ立場として、現地の指揮系統に従い、獣医師や行政と連携しながら、飼い主が避難を続けられる環境づくりに貢献したい。
字数カウント: 946字



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