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日本大学 生物資源科学部アグリサイエンス学科 総合型選抜1次選考 令和7年度 小論文過去問解説(日本農業の現状と展開)

日本大学 生物資源科学部アグリサイエンス学科 総合型選抜1次選考 令和7年度 小論文過去問解説(日本農業の現状と展開)

問1【解説】

設問文

下の表は、「日本の総人口、基幹的農業従事者(ふだん仕事として主に自営農業に従事している者)数とその年齢ならびに田畑面積の推移」を示している。このような日本の農業実態を示す関連データを、他にも自由に調べ、それら全体から読み取れることを論じなさい。さらに、そのようなデータに示される状況下で、これからの日本の農業をどのように展開するべきか、あなたの考えを述べなさい。なお使用できるデータは、官公庁が公表したもののみとし、出典を明らかにして小論文内に示すか添付すること。

課題文・資料の要点

表では、総人口が2015年127,095千人から2023年124,352千人へ減少し、基幹的農業従事者は1,757千人から1,164千人へ減少している。65歳以上の従事者は多く、平均年齢は67.1歳から68.7歳へ上昇し、田畑面積も4,496千haから4,297千haへ減少している。設問は、この表に加えて官公庁データを用い、日本農業の現状と今後を論じることを求めている。

設問条件の判定

  • 制限字数: 指定なしのため1000字を目安
  • 意見論述の要求: あり
  • 選択テンプレート: 5STEPs法
  • 判定根拠: データ読解、追加資料、将来提案を結びつける必要がある。

解答プロセス

  • STEP1 要件確認: 設問が求める「表の読解」「官公庁データの追加」「日本農業の今後の展開」をすべて扱う。
  • STEP2 問題設定: 今後の日本農業は、人手を増やすだけでは維持できず、生産性と担い手確保を同時に考える必要がある。
  • STEP3 論証: 従事者減少、耕地面積減少、食料自給率の課題、経営規模拡大の必要性を結ぶ。
  • STEP4 解決策: スマート農業、農地集積、若者・企業・地域の参入、環境負荷低減型農業を進める。
  • STEP5 吟味: 大規模化だけでは中山間地域が残らないため、多様な経営形態を認める。

問1【解答】

表から読み取れる日本農業の最大の特徴は、総人口の減少よりも農業の担い手減少が急速に進んでいることである。総人口は2015年の127,095千人から2023年の124,352千人へ緩やかに減少している。一方、基幹的農業従事者は1,757千人から1,164千人へ大きく減少した。さらに平均年齢は67.1歳から68.7歳へ上昇し、65歳以上の従事者が多数を占める。田畑面積も4,496千haから4,297千haへ減少しており、担い手、農地、年齢構成の三点で農業基盤が弱まっている。

この状況は、農林水産省が公表する食料自給率や耕地面積の推移とも関係する。日本は食料の多くを輸入に依存しており、国際情勢、円安、異常気象が輸入価格や供給に影響すれば、国内の食料安定供給は不安定になりやすい。国内農業を維持することは、単に農村を守るだけでなく、食料安全保障の問題でもある。

問題は、従来の家族経営だけで農業を支えることが難しくなっている点である。高齢化により離農が進めば、農地が使われず荒廃する。耕作放棄地が増えれば、景観や防災、生物多様性にも影響する。一方で、農地を集積して経営規模を拡大する農業者もいるが、労働力不足や技術継承の課題は残る。

これからの日本農業は、第一にスマート農業を進めるべきである。自動操舵トラクター、ドローン、センサー、営農アプリを活用すれば、少ない人数でも作業の効率化や品質管理がしやすくなる。第二に、農地の集積と共同利用を進める必要がある。小さく分散した農地を地域で調整し、機械や施設を共同利用すれば、経営効率を高められる。

第三に、多様な担い手を受け入れることが重要である。若者、女性、企業、福祉事業所、外国人材、兼業農家が関われる仕組みを整えれば、農業は専業者だけのものではなくなる。農産物の生産だけでなく、加工、販売、観光、教育を組み合わせることで、地域に雇用も生まれる。

ただし、大規模化と効率化だけを進めれば、中山間地域や小規模農家が取り残される。環境保全型農業、地産地消、学校給食、地域ブランドなど、多様な農業の価値を認めるべきである。日本農業は、技術による省力化と地域に根ざした多様な担い手づくりを両立させる方向へ展開する必要がある。

字数カウント: 928字

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