岡山県立大学 保健福祉学部 前期日程 2020年度 小論文過去問解説(低出生体重と社会的想像力)
問題1・設問1【設問文】
設問1 日本の赤ちゃんの出生体重について、図表2-1、図表2-2に示されたデータを読み取り、150字以内で説明しなさい。
問題1・設問1【解説】
図表は、低出生体重児の割合が国際的にも問題になっており、日本でも出生体重の低下が目立つことを示している。単に「小さい赤ちゃんが増えた」と書くのではなく、低出生体重が健康上のリスクと結びつく点まで押さえる。
問題1・設問1【解答プロセス】
- STEP1 要件確認: 図表から読み取れる傾向を150字以内で説明する。
- STEP2 方針: 日本の位置づけ、低出生体重児の増加、健康面の懸念を入れる。
- STEP3 構成: 傾向、比較、意味の順にまとめる。
- STEP4 吟味: 原因分析は設問2に回す。
問題1・設問1【解答】
図表から、日本では出生体重の軽い赤ちゃんが増えており、低出生体重児の割合も国際的に見て高い水準にあることが読み取れる。出生体重の低下は、その後の健康や成長に影響する可能性があるため、保健医療上の重要な課題である。
字数カウント: 104字
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問題1・設問2【設問文】
設問2 生まれてくる赤ちゃんの体重が減り続けている原因や理由について、筆者の述べている内容を175字以内で要約しなさい。
問題1・設問2【解説】
課題文は、出産前にフルタイムで働いていた場合、働いていなかった場合より出生体重が軽くなり、低出生体重児となる割合も上がるという調査を紹介している。働く女性の増加が理由の一端とされるが、女性個人の責任にしないことが重要である。
問題1・設問2【解答プロセス】
- STEP1 要件確認: 筆者の内容を175字以内で要約する。
- STEP2 方針: フルタイム就労、妊娠中の負担、低出生体重児の増加を結ぶ。
- STEP3 構成: データ、原因、社会的背景の順にまとめる。
- STEP4 吟味: 自分の意見を入れすぎない。
問題1・設問2【解答】
筆者は、妊娠中の母親がフルタイムで働くことは健康上の負担となり、出生体重を軽くする一因になると述べている。調査でも、出産前に働いていた場合は出生体重が軽くなり、低出生体重児の割合が上がる。働く女性の増加が、近年の体重低下の理由の一端だという。
字数カウント: 125字
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問題1・設問3【設問文】
設問3 下線部について、筆者の見解が述べられているが、「妊娠中のお母さんに対する特別な配慮」について、あなたはどのように考えるか、自分の知識や経験に基づき、300字以内で記述しなさい。
問題1・設問3【解説】
設問は、妊娠中の母親への配慮について自分の考えを求めている。課題文は、母親本人や家族だけでなく、職場や周囲の人々が配慮する必要を述べている。答案では、配慮を「特別扱い」ではなく、母子の健康と社会参加を両立させる条件として論じる。
問題1・設問3【解答プロセス】
- STEP1 要件確認: 設問は「特別な配慮」への考えを、知識や経験に基づき300字以内で述べることを求めている。
- STEP2 問題設定: 妊娠中の負担を個人の我慢に任せると、母子の健康と就労継続が両方危うくなる。
- STEP3 論証: 通勤、立ち仕事、長時間労働、急な体調変化には周囲の調整が必要である。
- STEP4 解決策: 配慮は優遇ではなく、健康を守り社会参加を支える合理的な対応である。
- STEP5 吟味: 周囲の負担感を減らすため、職場全体の制度化が必要である。
問題1・設問3【解答】
妊娠中のお母さんに対する特別な配慮は、単なる親切ではなく、母子の健康を守るために必要な社会的対応である。課題文が示すように、妊娠中のフルタイム労働は体への負担となり、出生体重にも影響しうる。電車で席を譲る、職場で立ち仕事や残業を減らす、体調不良時に休みやすくすることは、特別扱いではなく合理的配慮である。
ただし、周囲の善意だけに頼ると、配慮する人とされる人の間に遠慮や不公平感が生じる。だから、職場や学校が制度として業務分担や休暇を整え、誰もが安心して妊娠・出産を迎えられる環境をつくるべきである。
字数カウント: 269字
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問題2・設問1【設問文】
設問1 下線部(1)について、筆者は他者の立場を理解することには限界があると述べています。なぜ限界があるのでしょうか。あなたの考えを150字以内で記述しなさい。
問題2・設問1【解説】
課題文は、他者感覚とは「他人の気持ちがわかる」と思い込むことではなく、自分が他者にはなりえないという限界を認識することだと述べている。したがって答案では、経験の固有性を中心に説明する。
問題2・設問1【解答プロセス】
- STEP1 要件確認: 限界の理由を150字以内で、自分の考えとして述べる。
- STEP2 方針: 他者の経験を完全には追体験できない点を示す。
- STEP3 構成: 経験の違い、想像の限界、限界の自覚の順に書く。
- STEP4 吟味: 「理解できないから無関心でよい」としない。
問題2・設問1【解答】
他者の苦しみや貧困は、その人の生活史、人間関係、身体感覚と結びついており、外から完全に追体験することはできないからである。自分の経験に置き換えるだけでは、相手の現実を単純化してしまう。だからこそ、限界を自覚して聞く姿勢が必要である。
字数カウント: 116字
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問題2・設問2【設問文】
設問2 下線部(2)について、筆者は社会的想像力を鍛える必要があると述べています。あなた自身が、社会的想像力を身に付けていくために、今、実践可能な活動は何だと思いますか。その活動について具体例をあげ400字以内で記述しなさい。
問題2・設問2【解説】
社会的想像力とは、個人の経験を社会の構造と結びつけて考える力である。設問では「今、実践可能な活動」と「具体例」が求められているため、抽象的な心がけではなく、学習、参加、記録、対話などの行動に落とし込む必要がある。
問題2・設問2【解答プロセス】
- STEP1 要件確認: 設問は、社会的想像力を身につける活動を具体例つきで400字以内に述べることを求めている。
- STEP2 問題設定: 自分の生活圏だけで社会を判断すると、貧困や不平等を他人事にしてしまう。
- STEP3 論証: 支援活動、統計の学習、当事者の語りを聞くことにより、個人の困難と社会構造を結びつけられる。
- STEP4 解決策: 実践可能な活動は、地域の学習支援や福祉活動への継続参加である。
- STEP5 吟味: 当事者を観察対象にせず、対等に学ぶ姿勢が必要である。
問題2・設問2【解答】
私が今実践可能だと思う活動は、地域の子ども食堂や学習支援に継続して参加し、そこで見聞きしたことを社会の制度と結びつけて考えることである。たとえば、宿題をする場所がない子ども、夕食を一人で食べる子ども、保護者が長時間働いていて学校との連絡が難しい家庭に出会ったとき、それを「家庭の努力不足」と決めつけない。労働時間、所得、住居、教育費、地域の支援資源の不足と関係づけて考える。
また、活動後に参加者同士で記録を共有し、統計資料や自治体の施策も調べるようにする。そうすれば、一人の困りごとを個人の特殊な事情としてではなく、社会の不平等問題として理解できる。ただし、相手を分かったつもりにならず、当事者の語りを尊重し続けることが必要である。
字数カウント: 333字



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