岐阜大学 地域科学部 前期日程 2015年度 小論文過去問解説(エネルギー政策とデカップリング)
問1【解説】
設問条件の判定
- 制限字数: 100字程度
- 意見論述の要求: なし
- 選択テンプレート: 自由形式
- 判定根拠: 震災・原発事故後に電力需要が抑制された理由と、今後の削減策を本文から三点取り出してまとめる問題であるため。
設問文
震災・原発事故後、なぜ電力の需要が抑制されたのか、また今後、さらに電力需要を減らしていくにはどうしたらいいのかについて、本文中からあわせて三つの点をとり出してまとめなさい。(100字程度)
解答プロセス
本文では、節電、需要の時間帯の調整、効率的な機器や建築・運用の見直しが示されている。答案では、事故後の供給不安に伴う節電意識と、今後の省エネ・ピークカットを合わせて三点でまとめる。
問1【解答】
原発事故後の供給不安により節電意識が高まり、使用時間をずらすなどピーク需要が抑えられた。今後は高効率機器の導入、建物・空調の運用改善、地域全体での省エネで消費を減らす必要がある。
字数カウント: 89字
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問2【解説】
設問条件の判定
- 制限字数: 400字程度
- 意見論述の要求: あり
- 選択テンプレート: 5STEPs法
- 判定根拠: デカップリングの意味を指定語句で説明し、それによって社会や経済のあり方を変える可能性を論じる問題であるため。
設問文
エネルギー政策をめぐる「デカップリング」について、経済成長、エネルギー消費、最大電力の減少、節電、生活の質、などの言葉を用いて説明し、これにより、社会や経済のあり方を変えて行く可能性について論じなさい。(400字程度)
解答プロセス
5STEPに当てはめた書き方
STEP1 議論の整理
デカップリングとは、経済成長や生活の質の向上と、エネルギー消費の増大との連動を切り離す考え方である。
設問要件対応: 「デカップリング」について指定語句で説明する。
STEP2 問題発見
従来は、豊かさを求めるほど電力需要や最大電力が増えると考えられてきた。
設問要件対応: エネルギー政策上の問題を示す。
STEP3 論証
演繹法を用いる。生活の質をエネルギー大量消費ではなく、効率、快適性、分散、選択の自由で測れば、節電は我慢ではなく改善になる。
設問要件対応: 社会や経済のあり方を変える可能性の根拠を示す。
STEP4 結論
省エネ技術、ピークカット、都市設計、働き方の変更により、経済活動を維持しながらエネルギー消費を減らせる。
設問要件対応: 「可能性について論じなさい」に答える。
STEP5 吟味
ただし、弱者に負担を押しつける節電ではなく、公平で継続可能な制度設計が必要である。
設問要件対応: 現実的な政策として吟味する。
問2【解答】
デカップリングとは、経済成長や生活の質の向上を、エネルギー消費の増大と切り離して実現する考え方である。従来は、経済が成長すれば工場、オフィス、家庭の電力需要が増え、最大電力も大きくなると考えられてきた。しかし震災後の節電や省エネの経験は、生活の質を大きく損なわずに電力需要を減らせる可能性を示した。
この考え方は、社会や経済のあり方を変える力を持つ。たとえば、高効率の照明や空調を使い、建物の断熱性を高め、電力使用の時間帯を分散すれば、快適さを保ちながら最大電力の減少が可能になる。企業も、長時間稼働や大量消費を前提にするのではなく、ICT、在宅勤務、地域分散型のエネルギーを活用すれば、効率的に活動できる。
ただし、節電を単なる我慢として個人に押しつけるだけでは長続きしない。重要なのは、少ないエネルギーで快適に暮らせる技術、都市、働き方を整えることである。デカップリングは、成長か環境保護かという二者択一を超え、生活の質を保ちながら持続可能な経済へ転換する道を開く。
字数カウント: 433字



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