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山形大学 地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(隠れたカリキュラムと教員の姿勢)

山形大学 地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(隠れたカリキュラムと教員の姿勢)

第1問【設問文】

第1問 次の文章を読み、あとの問い(問1、問2)に答えてください。下図は繰り下がりのある引き算、303-137を筆算を用いて計算する際の流れを示しています。以下では、一般的に、与えられた式が「繰り下がりのない引き算」である必要十分条件を確認した後、上の図において、繰り下がりによって303の百の位および十の位をそれぞれ2と9に書き換える理由を説明しています。問1 問題文中の空欄に当てはまるものを、等号・不等号 <、≦、=、≧、> のうちからそれぞれ一つ答えてください。問2 問題文中の式は、繰り下がりを式により表現することを試みており、これをもとに、繰り下がりによって303を2、9、13に書き換える理由が説明されるものとします。空欄に、それぞれ1桁もしくは2桁の正の整数を当てはめ、それをもとに問題文の未尾に、次の三つの式がそれぞれ指す内容と、繰り下がりによって303を2、9、13に書き換える理由を述べ、説明を完成させてください。

第1問【解説】

第1問は、筆算で当然のように行う「繰り下がり」を、十進法の位取りと不等式で説明する問題である。303-137では、一の位で3から7を引けないため、十の位から1を借りたいが、十の位は0である。そのため、百の位の3を2にし、十の位を10にしたうえで、さらに十の位から一の位に1を移し、十の位は9、一の位は13になる。

第1問【解答プロセス】

  • 設問条件の整理: 問1は空欄補充、問2は繰り下がりの仕組みを式と言葉で説明する。
  • 対応方針: 303を「2百 + 9十 + 13一」と同じ値として表す。
  • 答案構成: まず位ごとの数の変化を示し、次にその理由を説明する。
  • 確認: 2×100+9×10+13=303であり、値は変わらない。

第1問【解答】

問1は、各位で上の数が下の数以上であれば繰り下がりのない引き算になる、という条件を確認して答える。303-137では、百の位は3≧1であるが、十の位は0<3、一の位は3<7であるため、繰り下がりが必要である。

問2では、303をそのまま3百0十3一と見ると、十の位と一の位で引くことができない。そこで、百の位から十の位へ1を移して3百を2百10十にし、さらに十の位から一の位へ1を移して10十3一を9十13一にする。したがって、303は2×100+9×10+13×1と表せる。これは303の値を変えず、位の分け方だけを変えたものである。この形にすれば、百の位は2-1、十の位は9-3、一の位は13-7となり、各位で引き算を実行できる。

第2問【設問文】

本文中において「隠れたカリキュラム」には二つのタイプがあると述べられています。教員は第二のタイプの「隠れたカリキュラム」とどのように向き合えばよいでしょうか。具体的に教員が学校の教育活動全体において心がけるべきことについて、あなたの考えを400字以上600字以内で書いてください。

第2問【解説】

課題文は、授業で明示的に教えられる内容だけでなく、教師の言動、学校の慣習、男女の扱い、評価の仕方などを通じて、子どもが暗黙に学ぶものを「隠れたカリキュラム」として扱っている。第二のタイプは、教員自身も気づきにくい価値観や序列を、学校生活全体の中で子どもに伝えてしまう点が重要である。

第2問【解答プロセス】

  • 議論の整理: 設問は「第二のタイプの隠れたカリキュラム」と「学校の教育活動全体」を結びつけて考えることを求めている。
  • 問題発見: 問題は、教員が善意で行動していても、無意識の区別や期待が児童に伝わることである。
  • 論証: たとえば性別による役割分担、発言しやすい児童への偏り、失敗への反応は、教科内容以上に児童の自己理解を左右する。
  • 結論: 教員は自分の言動を点検し、同僚や児童との対話を通じて学校全体の慣行を見直す必要がある。
  • 吟味: すべての暗黙の影響をなくすことはできないが、無自覚であることを減らす努力はできる。

第2問【解答】

教員は、第二のタイプの「隠れたカリキュラム」を、授業外で偶然生じる副作用ではなく、学校教育そのものを形づくる重要な要素として受け止めるべきである。課題文がいう隠れたカリキュラムは、教科書に書かれた知識ではなく、教師の声かけ、座席、係活動、叱り方、褒め方、進路指導などを通じて、子どもが暗黙に学んでしまう価値観である。

問題は、教員が差別や偏見を意図していなくても、無意識の期待が子どもに伝わる点にある。たとえば、男子にはリーダー役を任せ、女子には丁寧な補助役を期待する、発言の多い児童だけを評価する、失敗した児童にだけ厳しい雰囲気をつくる、といった行為は、子どもの自己理解や人間関係を左右する。

そのため教員は、自分の言葉や制度を常に点検する必要がある。具体的には、係や発表の機会を固定化しない、性別や成績で役割を決めない、児童の沈黙や困りごとを学級全体の問題として扱う、同僚同士で授業や生活指導を見合う、といった取り組みが考えられる。

もっとも、学校から暗黙の影響を完全に消すことはできない。だからこそ教員は、自分も隠れたカリキュラムの担い手であると認め、児童が多様な生き方を肯定できる環境を学校全体でつくるべきである。

字数カウント: 530字

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