九州大学 共創学部 前期日程 2019年度 小論文過去問解説(食品ロス資料の読み取り)
問1【解説】
設問文
設問1 資料1、資料2、資料3の3つの資料から読み取れる事項をあなたの言葉でまとめなさい。
設問条件の判定
- 制限字数: 明示なし
- 意見論述の要求: なし
- 選択テンプレート: 要約型
- 判定根拠: 「この3つの資料から読み取れる事項をあなたの言葉でまとめなさい」とあり、資料の共通点と相違点を整理する設問である。
解答プロセス
- STEP1 議論の整理: 食品ロス削減は、食育、廃棄物削減、温室効果ガス削減、水資源保護、経済損失の回避、食料安全保障、貧困問題など複数の効果をもつ。
- STEP2 問題発見: 食品ロスは事業系と家庭系に分かれ、家庭では直接廃棄、食べ残し、過剰除去が主な原因となる。
- STEP3 論証: 生産から消費までの各段階にロスがあり、消費者だけでなく流通・加工・販売の仕組みも関係する。
- STEP4 結論・解決策: 「もったいない」という道徳だけでなく、環境・経済・社会制度の問題として食品ロスを整理する。
- STEP5 吟味: 三資料の共通点と相違点を分け、個人責任だけに還元しないようにする。
問1【解答】
三つの資料から読み取れるのは、食品ロスが単に食べ物を捨てる行為ではなく、環境、経済、福祉、教育にまたがる複合的な問題だということである。資料1は、食品ロスの削減が廃棄物処理量の抑制、温室効果ガスの削減、水資源の保護、経済損失の回避、食料安全保障の改善、食育の促進に結びつくことを示している。つまり、食品を無駄にしないことは、個人の節約にとどまらず、社会全体の資源配分を改善する行為である。
資料2からは、食品ロスの原因が一つではないことが分かる。事業系では、生産量の見込み違い、流通や販売の都合、規格外品、売れ残りなどが関係する。一方、家庭系では、買いすぎによる直接廃棄、食べ残し、野菜の皮などを過度に取り除く過剰除去が主な原因となる。したがって、食品ロス対策は「消費者が気をつける」だけでは不十分であり、事業者と家庭の双方で原因に応じた対策を考える必要がある。
資料3は、食品ロスが生産、製造・加工、流通、消費の各工程で発生することを示している。生産段階では需要予測や規格の問題、加工段階では製造過程の端材、流通段階では納品期限や在庫管理、消費段階では保存方法や調理技術が関係する。以上を踏まえると、食品ロスは個人の倫理だけでなく、食品が社会の中を移動する仕組み全体の問題として捉えるべきである。
字数カウント: 977字



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